2014年06月08日

セルのモーツァルト:歌劇「魔笛」


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1959年のザルツブルク音楽祭でのライヴ録音。

タミーノ役のシモノーが時に情に走った歌唱を示すのが残念だが、全体的には、ベリーの自然児パパゲーノにふさわしい歌いぶり、第2幕のアリアで本領発揮のケートの夜の女王、デラ・カーザのパミーナの叙情的な美しさ、出番は少ないながらも重厚な存在感を感じさせるホッターの弁者など、まさに適材適所のキャストである。

そして何よりも注目したいのがセルの冴えた指揮で、ウィーン・フィルの美質を生かしつつも彼らしい厳しい統率力で精緻なアンサンブルを作りながら、血の通ったドラマを生み出している。

1950年代のウィーンの(良い意味で)ローカルなアンサンブルとキビキビしたセルの指揮がいい感じの演奏。

それにしてもなんて楽しく、素敵な「魔笛」だろう!

交響曲第40番や「ポストホルン」など、極上のモーツァルトを奏でるセルのこと。

リズム、ピッチ、バランスのよさなどの美点は、このオペラでも全部発揮されている。

そのうえ歌手たちの声が生き生き、伸び伸びしている。

協奏曲でもセルと共演した音楽家は、とてもいい音を出すし、歌曲もそうだ。

歌手が艶やかな声を出すというのは、これはセルの振るオケが、とてもリフレッシュしているからだからだろう。

空気がいいと、人は生き生きする。環境がいいと、心が伸び伸びする。

セルのオペラ指揮者としての手腕とウィーン・フィルとの相性の良さを示す録音だ。

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classicalmusic at 21:02コメント(2)トラックバック(0)モーツァルト | セル 

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コメント一覧

1. Posted by Kasshini   2014年07月09日 16:53
先日購入して最も気に入りました。レヴァインでは聴けないヴィーンフィルのオルガントーンが堪能できて、オールスターキャストでないのが弱みながら、50過ぎたシモノー以外は、上位に入る出来。オールスターでも100点はまずないこの作品と考えるとセルは凄い。ヴァルターに劣らず、アーティキュレーションも的確。1番のお気に入りになりました。
2. Posted by 和田   2014年07月18日 01:40
セルはクリーヴランド管弦楽団をヨーロッパの伝統とアメリカの技巧を融合させ、文字通り「セルの楽器」に仕立て上げましたが、晩年にヨーロッパの名門楽団(ウィーン・フィルやロンドン響など)に客演した時の演奏には、単に精巧というだけではない、プラス・アルファの熱い高揚感(興奮)があり、思わず身震いさせられてしまうような感動がありますね。

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classicalmusic

早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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