2022年10月29日

ファンタジーの飛翔🪶最も透明感溢れる美しさを誇る🪔「千人に一人のリリシスト」🧔‍♂️ルプー&プレヴィンのグリーグ&シューマン:ピアノ協奏曲🎹


この記事をお読みになる前に、人気ブログランキングへワンクリックお願いします。



グリーグとシューマンのピアノ協奏曲をカップリングしたCDはあまた存在しているが、本盤のルプー、そしてプレヴィン&ロンドン交響楽団による演奏は、おそらくは最も透明感溢れる美しさを誇るものと言えるのではないだろうか。

何と言っても「千人に一人のリリシスト」と称されるだけあって、ルプーのピアノ演奏はただただ美しい。

グリーグのピアノ協奏曲は、どこをとっても北欧の大自然を彷彿とさせるような抒情豊かな美しい旋律に彩られた楽曲であるが、ルプーは、透明感溢れるピアノタッチで曲想を描き出しており、その清澄な美しさには抗し難い魅力に満ち溢れている。

いかなるトゥッティに差し掛かっても、かかる美しさを失わないというのは、美音家ルプーの面目躍如たるものがあると言えるだろう。

もちろん、ルプーのピアノ演奏には、特別な個性を発揮するなど奇を衒ったところはなく、あくまでもオーソドックスな演奏に徹していることから、聴き手によってはいささか物足りないと感じる人も少なくないと思われる。

同曲の持つ根源的な美しさを徹底して追求するとともに、その魅力をピアニストの個性に邪魔されることなくダイレクトに聴き手に伝えることに成功した演奏とも言えるところだ。

その意味においては、ルプーは音楽そのものを語らせる演奏に徹しているとも言えるところであり、徹底した美への追求も相俟って、聴き手が安定した気持ちで同曲の魅力を満喫することが可能であることに鑑みれば、本演奏を素晴らしい名演と評価するのにいささかの躊躇をするものではない。

他方、シューマンのピアノ協奏曲については、その旋律の美しさのみならず、同曲の本質でもあるいわゆる「ファンタジーの飛翔」をいかに的確に表現することができるのかが鍵となる。

ルプーは、例によって、曲想を透明感溢れるピアノタッチで美しく描き出して行くが、そこには巧そうに弾いてやろうという邪心は微塵もなく、ただただ音楽の根源的な美しさを聴き手に伝えることに腐心しているようにさえ思われるところだ。

したがって、ルプーの表現に何か特別な個性のようなものを感じることは困難ではあるが、そうした虚心坦懐な真摯な姿勢が、同曲の本質でもあるいわゆる「ファンタジーの飛翔」が演奏の随所から滲み出してくることに繋がり、結果として同曲の魅力を聴き手に十二分に伝えることに成功したと言えるのではないだろうか。

いずれにしても、本演奏は、同曲の数ある名演の中でも、徹底してその美しさを追求した素晴らしい名演と評価したい。

両曲のルプーのピアノ演奏のサポートをつとめたのはプレヴィン&ロンドン交響楽団であるが、ルプーの美しさの極みとも言うべきピアノ演奏を際立たせるとともに、聴かせどころのツボを心得た見事な名演奏を展開しているのを高く評価したい。

音質は、英デッカによる優秀録音であるのに加えて、リマスタリングが行われたことで、十分に満足できるものである。

ところで、クラシック音楽情報ならこちらがオススメです。
人気ブログランキング



フルトヴェングラーのCDなら、 フルトヴェングラー鑑賞室



classicalmusic at 06:11コメント(2)シューマン | グリーグ 

トラックバック一覧

楽譜の読めないピアノ初心者でも... ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~...

コメント一覧

1. Posted by 小島晶二   2022年10月30日 06:53
5 LP期に一世を風靡した名盤。両曲とも快演ですが,とりわけグリーグがルーマニアの先輩リパッティ盤に比肩する秀演。その透徹した抒情性は如何なる賛辞も厭いません。シューマンの方も大変瑞々しい演奏ですが,ややサロン的な感触が有るのが難点です。特質すべきはプレヴィンのバックで,彼は本当に最も信頼出来る協奏曲のエキスパートと言えるでしょう。
2. Posted by 和田   2022年10月30日 06:57
ルプーが音楽界に登場してまもない1973年に録音されたディスクです。夭逝した名ピアニスト"リパッティの再来"とまで呼ばれているこの人の、鋭敏な感覚の冴えた演奏で、シューマンの濃厚でロマンティックな味を見事につかんで、清新な音楽をつくりあげています。夢とデリカシーに満ち、多感なニュアンスが作曲者の傷つきやすい魂を伝えてやみません。ご指摘の通り2曲のうちでは特にグリーグがみずみずしい音色を駆使した美演です。これほどていねいに、じっくり間をとった演奏も珍しく、この人固有の弱音を生かしながら、みずみずしく弾きあげた演奏です。ルプーは"千人に一人のリリシスト"といううたい文句で音楽界に登場したとき、いくつかのレパートリーとともに、この曲を、その最も得意とする作品のひとつに入れていたようです。彼は決して技巧まかせに弾きまくるタイプではなく、音楽の流れの美しさを大切にする人だけに、ここでも、そのしなやかな旋律の歌わせ方は聴きものです。プレヴィンの指揮もルプーに負けないほどの抒情や愁いを前面に押し出しており、ソリストに表情もテンポもぴったりの伴奏ぶりです。

コメントする

名前
 
  絵文字
 
 
メルマガ登録・解除
 

Profile

classicalmusic

早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

Categories
Archives
Recent Comments
記事検索
  • ライブドアブログ