2022年11月07日
重量感溢れる🏋️♂️重厚な音色がベルリン・フィルから完全に消え失せ👨🚒軽やかな音色が全体を支配🛻アバド色の濃い🪶ベートーヴェン:交響曲第3番「英雄」🦸♂️第4番
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アバドがベルリン・フィルとともにベートーヴェンの交響曲全集の録音を開始したのは、芸術監督に就任後10年近く経ってからである。
その理由としては、芸術監督就任の少し前にウィーン・フィルと全集を録音していたのが何よりも大きいとは思うが、ベルリン・フィルを完全に掌握するのを待っていたという側面もあったのではないだろうか。
前任のカラヤンも、ベートーヴェンの交響曲全集の録音を開始したのは芸術監督就任から10年近く経ってからであったことを考慮に入れれば、これは天下のベルリン・フィルの芸術監督の宿命と言えるのかもしれない。
いずれにしても、本演奏は、良くも悪しくもアバド色の濃いベートーヴェンと言えるだろう。
フルトヴェングラーやカラヤン時代の特徴であった重量感溢れる重厚な音色がベルリン・フィルから完全に消え失せ、いかにも軽やかな音色が全体を支配していると言ったところだ。
かつて、とある影響力の大きい某音楽評論家が自著において、本演奏を「朝シャンをして香水までつけたエロイカ」と酷評しておられたが、かかる評価が正しいかどうかは別として、少なくとも古くからのクラシック音楽ファンには許しがたい演奏であり、それこそ「珍品」に聴こえるのかもしれない。
筆者としても、さすがに許しがたい演奏とまでは考えていないが、好き嫌いで言えば決して好きになれない軽佻浮薄な演奏と言わざるを得ない。
しかしながら、最新の研究成果を反映させたベーレンライター版の使用による本演奏は、近年主流の古楽器奏法やピリオド楽器の使用による演奏の先駆けとも言えるところであり、その意味においては、好き嫌いは別として一定の評価をせざるを得ないのではないかと考えている。
録音は従来盤でも十分に鮮明な高音質であったが、今般のSHM−CD化によって、若干ではあるが音質がさらに鮮明になるとともに、音場が幅広くなったように思われる。
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