2014年07月09日

グールドのバッハ:インヴェンションとシンフォニア[SACD]


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素晴らしい演奏だ。

グールドによるバッハのピアノ曲の演奏は、いずれ劣らぬ名演揃いであるが、本盤に収められた「インヴェンションとシンフォニア」も実に素晴らしい。

収録順も、他の大方のピアニストのように第1番からの順番ではなく、グールドなりに考え抜かれた順番に並び替えられており、こうした点においても、グールドの同曲への並々ならない拘りが感じられるところだ。

同曲は、もともとはバッハによる教育用の音楽と考えられていたところであるが、グールドによる個性的な演奏によって、他のピアノ曲と同様の一流の芸術作品として見られるようになったとも言えるだろう。

それにしても、演奏は超個性的。

グールドの演奏の場合は、次の楽曲においてどのような解釈を施すのか、聴いていて常にワクワクさせてくれるという趣きがあり、聴き手を片時も退屈させないという、いい意味での面白さ、そして斬新さが存在している。

もっとも、演奏の態様は個性的でありつつも、あくまでもバッハがスコアに記した音符を丁寧に紐解き、心を込めて弾くという基本的なスタイルがベースになっており、そのベースの上に、いわゆる「グールド節」とも称されるグールドならではの超個性的な解釈が施されていると言えるところだ。

そしてその心の込め方が尋常ならざる域に達していることもあり、随所にグールドの歌声が聴かれるのは、「ゴルトベルク変奏曲」をはじめとしたグールドによるバッハのピアノ曲演奏の特色とも言えるだろう。

こうしたスタイルの演奏は、聴きようによっては、聴き手にあざとさを感じさせる危険性もないわけではないが、グールドのバッハのピアノ曲の演奏の場合はそのようなことはなく、超個性的でありつつも豊かな芸術性をいささかも失っていないのが素晴らしい。

これは、グールドが前述のように緻密なスコア・リーディングに基づいてバッハのピアノ曲の本質をしっかりと鷲掴みにするとともに、深い愛着を有しているからに他ならないのではないだろうか。

グールドによるバッハのピアノ曲の演奏は、オーソドックスな演奏とは到底言い難い超個性的な演奏と言えるところであるが、多くのクラシック音楽ファンが、バッハのピアノ曲の演奏として第一に掲げるのがグールドの演奏とされているのが凄いと言えるところであり、様々なピアニストによるバッハのピアノ曲の演奏の中でも圧倒的な存在感を有していると言えるだろう。

諸説はあると思うが、グールドの演奏によってバッハのピアノ曲の新たな魅力がより一層引き出されることになったということは言えるのではないだろうか。

いずれにしても、本盤の「インヴェンションとシンフォニア」の演奏は、グールドの類稀なる個性と芸術性が十二分に発揮された素晴らしい名演と高く評価したい。

音質については、数年前にBlu-spec-CD化がなされ、これによってピアノの音に比較的柔らかさが宿ったとも言えたが、先般、ついにSACD化が行われることにより、さらに見違えるような良好な音質に生まれ変わった。

残念ながらシングルレイヤーではないが、音質の鮮明さ、音圧の凄さ、音場の幅広さなど、いずれをとっても一級品の仕上がりであり、グールドのピアノタッチが鮮明に再現されるのは、1964年という録音年代を考えると殆ど驚異的であるとさえ言える。

いずれにしても、グールドによる素晴らしい名演をSACDによる高音質で味わうことができるのを大いに喜びたい。

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早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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