2014年06月28日

ブレンデル&マッケラスのモーツァルト:ピアノ協奏曲第22番&第27番


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2000年9月17-20日、スコットランド、ダンディー、ケアード・ホールに於けるデジタル録音。

ピアノ協奏曲では初めてクラリネットが用いられた、後期の円熟した筆致を示す堂々たる交響的構築による第22番と、作曲家の死の年に生み出された、晩年の清澄な心境を反映した最後のピアノ協奏曲である第27番。

モーツァルトのピアノ協奏曲の名作2曲を収録した1枚。

先ごろ現役を引退したブレンデルの円熟の境地を色濃く反映させた演奏で、第22番のカデンツァはブレンデル自らが作曲したものを使用している。

ブレンデルは2000年前後にモーツァルトのピアノ協奏曲を集中的に録音した。

今思い起こせば、ブレンデルという才人が残したモーツァルト演奏の総決算であったわけで、録音されたこと自体が貴重であった。

この新盤でブレンデルはマッケラスと一緒に演奏したにもかかわらず、ひたすら自分の音楽に邁進している。

マッケラスはモーツァルトやベートーヴェンの交響曲を演奏する際には、ピリオド・アプローチを積極的に取り入れ、爆発的に鳴り響く音響を伴う劇的な演奏を行っているのに対し、ここではピリオド・アプローチは最小限に抑えられており、ブレンデルは演奏の主導権を握ってオーソドックスな演奏に徹している。

ピリオド・アプローチが珍しくもなくなっている今日、モーツァルトのピアノ協奏曲、それもこの2曲でめぼしい成果が上がっていないのは、もしかしたら、この2曲の透明度の高さ故にピリオド・アプローチがそぐわないのかもしれない。

録音当時、ピアニストと指揮者は69歳と75歳。

2人共に知的な重鎮だけに構えて聴きだしたのだが、浮かんできたのは老人2人の微笑ましいモーツァルトだった。

無理のないテンポ運び、無駄な力も一切加えていない様子で、カデンツァからオケに戻る場面でも劇的な印象を与えずに自然体を演出する。

「演出する」とは少し変な言い方かもしれないが、彼らは十分にそれを意識して自然であろうとしているように思えるのだ。

何気ないフレーズにも繊細にコントロールがなされ適度な歌があるので、やっぱり知的な印象が最後には残される。

よって精妙なモーツァルトを十二分に堪能できるのである。

一方で、第27番のような霊感に満ちた美しい世界を、はなっから求めていないような演奏でもある。

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早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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