2014年06月30日

アルフレッド・ブレンデル/引退コンサート


この記事をお読みになる前に、人気ブログランキングへワンクリックお願いします。



このモーツァルト:ピアノ協奏曲第9番「ジュノーム」の演奏を最後に全てのコンサート活動から引退したピアニスト、アルフレッド・ブレンデルの演奏活動60年の集大成とも言えるライヴ盤である。

ブックレットにはブレンデル自身によるファンへのメッセージとリサイタルの楽曲解説、協奏曲で指揮者を務めたマッケラスのメッセージ、ウィーン・フィル楽団長ヘルスベルクのメッセージを掲載している。

最初に触れておきたいのはある『伝説』である。

それは名ピアニストは同じ誕生日を持ち11年ごとに現れる、というものだ。

アルトゥーロ・ベネデッティ・ミケランジェリ(Arturo Benedetti Michelangeli, 1920年1月5日 - 1995年6月12日)
アルフレッド・ブレンデル(Alfred Brendel, 1931年1月5日 - )
マウリツィオ・ポリーニ(Maurizio Pollini, 1942年1月5日 - )

この3人は誕生日が同じで11年違いなのだ。

いずれも劣らぬ最高レベルのピアニストである。

そしてこの引退公演の曲目を見て、最後にブレンデルの弾きたかった曲というのがよく分かる気がする。

なんという、優しい「ジュノーム」なんだろう。

モーツァルトの初期作品であるこのコンチェルトは、確かに愛すべき、チャーミングな作品ではあるが、ウィーン時代の後期名作コンチェルトと比べると、よく言えば屈託のない、悪く捉えれば、他愛のない作品といえる。

いままで聴いた演奏の中で、これほど愛情に満ち、優しく弾かれたことはかつてなかったように感じる。

それは、指揮者のマッケラス以下、ウィーン・フィルの団員が去り行く名手を惜しみ、限りない愛情と共感を覚えて演奏しているからに他ならない。

以下、ハイドンから始まりシューベルト、バッハにいたる独奏曲においても、なにか大切な宝物を置いて、去ってゆかなければならない、そんな惜別の念がひしひしと伝わり、一音一音慈しむように弾いているブレンデルの姿が浮かぶようで、アンコールのシューベルトを聴いていて思わずほろりとさせられた。

特に、シューベルトでもピアノ・ソナタ第21番を弾きたい、聴かせたいというのが強く出ている気がした。

この偉大なピアニストのラスト・アルバムにジーンとした。

「いままでありがとう、ブレンデル。今後は後進の指導に期待しています」と、素直に感謝できる、極上の演奏の記録だと思う。

ところで、クラシック音楽情報ならこちらがオススメです。
人気ブログランキング



フルトヴェングラーのCDなら、 フルトヴェングラー鑑賞室



classicalmusic at 00:59コメント(0)ブレンデル | マッケラス 

コメントする

名前
 
  絵文字
 
 
メルマガ登録・解除
 

Profile

classicalmusic

早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

Categories
Archives
Recent Comments
記事検索
  • ライブドアブログ