2014年07月04日

フルトヴェングラー&ベルリン・フィルのブルックナー:交響曲第8番(1949年ライヴ)[SACD]


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フルトヴェングラーによるブルックナーの交響曲の演奏については、必ずしも評価が高いとは言い難い。

一部の熱心なフルトヴェングラーの愛好者はともかくとして、フルトヴェングラーの演奏を聴く場合には、独墺系の作曲家による交響曲については、先ずはベートーヴェン、次いでブラームスというのが相場ではないかと思われるところだ。

とりわけ、1990年代に入って、ヴァントや朝比奈がいわゆるインテンポを基調とする崇高な名演の数々を成し遂げるようになってからは、テンポの振幅を大胆に駆使したフルトヴェングラーによる演奏は、音質の劣悪さも相俟って、時代遅れの演奏としてますます影の薄い存在となっていったところである。

しかしながら、EMIが1949年の演奏(ライヴ録音)をSACD化するに及んで、とりわけブルックナーの交響曲演奏の生命線でもある低弦の重量感溢れる響きや、ブラスセクションのブリリアントな響きなどが、決して団子状態にならず、かなり鮮明に再現されるようになったことにより、フルトヴェングラーによるブルックナーの交響曲の演奏が再び脚光を浴びることになったのは記憶に新しい。

そして、今般、優秀な音源として知られるRIASのマスターテープから、シングルレイヤーによるSACD化が行われる運びとなり、ついに当該演奏が決定的とも評価し得る圧倒的な高音質に生まれ変わった。

今般のシングルレイヤーによるSACD盤の登場は、フルトヴェングラーによるブルックナーの交響曲演奏の再評価への決定打になるのではないかとさえ考えられるところだ。

それにしても、こうして良好な音質で聴くと、演奏はさすがに素晴らしい。

徹頭徹尾、アッチェレランドを随所に用いるなどテンポの思い切った緩急を駆使したいかにもフルトヴェングラーならではのドラマティックな名演だ。

もっとも、第1楽章におけるトゥッティに向けての猛烈なアッチェレランドや、第2楽章の快速のテンポと中間部のスローテンポの極端な対比など、現代においては殆ど聴かれない大時代的なアプローチとも言えるが、1949年においては一般的なアプローチであり、フルトヴェングラーの演奏が必ずしも特異なものであったとは言えない点に留意すべきであろう。

現代でも文句なく通用するのは第3楽章及び終楽章であり、これは圧倒的な超名演である。

第3楽章におけるいつ果てるとも知れない滔々とした調べは美しさの極みであり、かの歴史的な名演であるベートーヴェンの交響曲第9番のバイロイト盤(1951年ライヴ録音)の第3楽章にも比肩し得る至高・至純の高みに達している。

終楽章も、ハース版にはないシンバルを加えたり、終結部の猛烈なアッチェレランドなど、いささか違和感を感じさせる箇所がないわけではないが、全体としては雄渾なスケール感を感じさせる彫りの深い名演に仕上がっていると高く評価したい。

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早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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