2014年07月01日

フルトヴェングラー&ベルリン・フィルのシューベルト: 交響曲第8番「未完成」、第9番「ザ・グレイト」(1953年ライヴ)[SACD]


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先般発売されたベートーヴェンの交響曲第5番及び第6番「田園」(1947年及び1954年)に続く、RIAS音源のシングルレイヤーによるSACD化の第2弾の発売である。

今般は、シューベルトの交響曲第8番「未完成」及び第9番「ザ・グレイト」、そして、ブルックナーの交響曲第8番だ。

フルトヴェングラーによるシューベルトの交響曲第8番「未完成」の名演としてはウィーン・フィルとのスタジオ録音(1950年)が有名であり、EMIよりSACD盤が発売されたことから、現在までのところ随一の名演との地位を獲得していた。

他方、交響曲第9番「ザ・グレイト」の名演としては、戦前のベルリン・フィルとのライヴ録音(1942年)、そして戦後のベルリン・フィルとのスタジオ録音(1951年)がタイプが全く異なる名演の双璧とされ、とりわけ、後者については、ベルリン・フィルの団員がフルトヴェングラーと成し得た最高の名演との高評価をするほどの名演であった。

それ故に、本盤に収められた両曲のライヴ録音は、数年前にRIAS音源によるCD化が行われるまでは、音質の劣悪さもあって、一部の熱心なフルトヴェングラー愛好者以外には殆ど無視された存在であったが、RIAS音源によるCDが素晴らしい音質であったことから、俄然注目を浴びる存在となったことは記憶に新しい。

そして、今般のシングルレイヤーによるSACD化は、フルトヴェングラーによる両曲演奏の代表盤の一つとしての地位を獲得するのに大きく貢献することに繋がったと言っても過言ではあるまい。

交響曲第8番「未完成」については、1950年盤と同様に、濃密でロマンティシズムに満ち溢れた彫りの深い演奏であるが、ライヴ録音ということもあって、とりわけ第1楽章においては、ドラマティックな表現が聴かれるのがフルトヴェングラーらしい。

もちろん、そうした表現が、いわゆる「未完成」らしさをいささかも損なっておらず、むしろ、表現の濃密さは1950年盤以上であり、実演でこそ真価を発揮するフルトヴェングラーの指揮芸術の真骨頂が本演奏には存在していると言えるだろう。

交響曲第9番「ザ・グレイト」については、1951年盤の深遠な表現に、1942年盤が有していたドラマティックな表現を若干盛り込んだ、いい意味での剛柔のバランスがとれた名演と言えるのではないだろうか。

同曲の演奏は、筆者も常々論評しているように極めて難しいものがあるが、1942年盤のようにベートーヴェンの交響曲に続くものとして演奏するタイプ、1951年盤のようにブルックナーの交響曲の先達として演奏するタイプが両端にあると思われるが、本盤の演奏はその中間点を模索したものとして十分に説得力のある名演に仕上がっていると評価したい。

それにしても、本盤の音質はフルトヴェングラーのCDとしては極上の高音質と言ってもいいのではないだろうか。

とりわけ低弦の生々しいまでの重量感溢れる響きや、高弦の艶やかな響きは、既にSACD化されている音源を除いて、これまでのフルトヴェングラーのCDではなかなか聴くことが出来ないものであり、かかる高音質が本盤の価値を更に高めるのに大きく貢献しているのを忘れてはならない。

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早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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