2014年07月05日

ボレットのショパン:24の前奏曲、4つの夜想曲


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「24の前奏曲」は実に素晴らしい名演で、ボレット特有の煌びやかな音色がショパンのプレリュードと完全に融合している。

洗練されたピアノ技法と多彩な曲想で評価の高いこの作品を、ボレットは、ヴェテランらしいゆとりに満ちた表情と美しいタッチで、詩情豊かに曲の本質を再現している。

「24の前奏曲」をボレットは、いわば八分の力で弾き進める。

それはこの小曲集をいかに弾くかを心底心得た演奏であり、格段大きな身ぶりはないが、1曲1曲の演奏からは詩情がにじみ出る。

その響きはあくまでもクリアーだが、それぞれの音が呼吸しているのが感じられる、そんな演奏である。

それぞれの曲は心憎いほどの間で次々と受け渡されていき、聴き手は1巻の絵巻物を見てるような境地へ誘われる。

悲しみを秘めた曲では、その悲しみをより深く心に響かせる。

もちろん、明るい曲では、その明るさをより強く輝かしく聴かせてくれる。

そして全体をひとつの大きな流れとして捉え、その中で各曲のキャラクターを鮮明に描き出した、語り巧者なものと言えよう。

ボレットはピアノという楽器を信頼して、その機能を最大限に発揮させようとする、ピアノ音楽好きを満足させるスタイルである。

1974年のライヴよりも数段円熟した味わいになっていて、ボレットが残した最良のディスクの1つと言えるものである。

前進するだけでなく、一歩一歩踏みしめながら、かつ流麗でロマンティックな表現に事欠かない演奏を聴かせるボレットの晩年に到達した境地が味わえる。

フランソワとは全然別の意味で粋な演奏と言えるのではないだろうか。

大家らしいスケール大きな表現で、名人気質を存分に発揮した華麗な演奏と言うべきである。

このディスクには、「24の前奏曲」のほかにノクターンが4曲収録されているが、このノクターンも上品で、限りなく美しい。

ひとつひとつの音が心に響いてきて、深い感動を与えてくれる。

特に、高度なテクニックを備えてなければ弾きこなすことが出来ないと言われている第8番が素晴らしい。

美しい音色を追求し続けたボレットにしか表現できない世界が堪能できる1枚だ。

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早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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