2022年11月16日
複雑な内容を整理📰堅実な解釈を施した📚難解な傑作の入門の役割を果たす🎍スラットキン&セントルイス響💂🏻ショスタコーヴィチ:交響曲第4番🗞️
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時代を超えた先鋭的な響きが存分に表出された、スラットキン渾身の名演だ。
アメリカの名指揮者、レナード・スラットキンが手塩にかけて育て上げたセントルイス交響楽団はRCAに数多くの録音を残しており、それらの中でもロシア音楽との相性の良さは周知の通り。
スラットキンはセントルイス響時代に、ショスタコーヴィチの交響曲を4曲、RCAに録音している。
1986年に第5番、87年に第10番、88年に第8番、そして89年に第4番という順序で録音された。
1986年から1989年にかけてスラットキンが毎年1曲ずつ録音したショスタコーヴィチの交響曲4曲の中で、なぜか唯一国内でリリースされなかったのがこの第4番。
ショスタコーヴィチの交響曲の中で最大の編成で書かれ、マーラーなどの影響を強く受けた先鋭的な作風の故に、作曲から初演まで25年を要したこの大作を、スラットキンが渾身の力を込めて先鋭的な大作を、明晰な指揮で描出している。
スラットキンとセントルイス響のショスタコーヴィチ作品の解釈・演奏は、華麗というかきらびやかというか、オーケストラの高度な技術も相俟った流麗な響きは特色である。
作曲者の置かれた政治的・社会的状況を背景に捉えると「これはショスタコーヴィチではない」という向きもいるかもしれないが、この作品の複雑な内容を整理し、堅実な解釈を施した演奏は、オーケストレーションというものの魅力を余すことなく堪能させてくれる。
確かに演奏レベルはピカイチで、あまり深刻になりすぎず、洗練された演奏が繰り広げられている。
過去のレビューにも記したように、同曲には、ラトル、ゲルギエフ、チョン・ミュンフンの録音が3強と言えるが、当盤は、この難解な傑作の入門の役割を果たすディスクとして、高く評価しても良いのではないかと考える。
第1楽章のフーガ〜プレストの難所(見せ場)は特に見事で、この時代のセントルイス響の弦楽器パートのアンサンブルの優秀さを実感する。
デジタル録音の技術も練れてきた頃のレコーディングであり、録音の素晴らしさも、この作品のテクスチュアを捉えるのに大きく寄与している。
再販終了となる前に、早めに入手されることをお薦めしたい。
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