2014年07月06日

スラットキン&セントルイス響のショスタコーヴィチ:交響曲第8番、他


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レナード・スラットキンは現在デトロイト交響楽団の音楽監督の地位にあり、2011年からはリヨン国立管弦楽団の音楽監督にも就任している。

スラットキンのキャリアの中で最も光り輝いていたのは1980年代にセントルイス交響楽団を率いていた時だろう。

メジャーレーベル(RCA)にどんどん録音し、日本にも同楽団と一緒にやってきたが、その後のクラシック音楽不況であまり名前を聞かなくなってしまっていた。

BBC交響楽団退任後、録音面では際立った活躍のないスラットキンであるが、セントルイス時代は、チャイコフスキーやラフマニノフなど、ロシア音楽を網羅的・積極的に演奏・録音して、高い評価を得ていた。

ショスタコーヴィチでは、第4番、第5番、第8番、第10番という大曲4曲をRCAに録音している。

オケはいずれもセントルイス交響楽団で、1986年から1989年にかけて毎年1曲ずつ録音されている。

この第8番は、CD初期に発売されて以来久々の復活となるもので、当時全米メジャー・ファイヴに匹敵する実力を備えていたセントルイス響の粘着力のある弦を土台にした、細部まで緻密に考え抜かれた解釈が見事。

現在では偽書とされているものの、少なくともヴォルコフの『ショスタコーヴィチの証言』が現れてから、多くの指揮者は以前のように、楽天的にこの曲を解釈できなくなったようだ。

極楽トンボな演奏をすると、「物知らず」「不勉強」のレッテルを貼られかねないからだ。

スラットキン指揮セントルイス響は、そうした『ショスタコーヴィチの証言』の線に沿った、最も現代的でグラスノスチ的な名演に数えられよう。

弦を中心としたオーソドックスな表現だが、全体に暴力的な要素は影を潜め、悲劇的な哀悼の念がしみとおるような演奏だ。

特に第2楽章のカリカチュアライズされた皮肉な諧謔精神や、第3楽章の鬱屈した怒りの爆発、さらに第4楽章のクールな抒情と哀しみの表情は、ショスタコーヴィチ自身のメッセージを聞く思いである。

併録のテミルカーノフの『祝典序曲』は、来日公演でもお馴染みの定番。

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早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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