2022年11月15日
19世紀の流れを汲む🌠ロマンティックなヴィルトゥオーゾ🎹ピアニストと称された🧑🏽🦲ボレット:愛の夢🥰ラ・カンパネラ🔔リスト名演集
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20世紀最後のロマン派ピアニストと呼ばれていた、ホルヘ・ボレットの演奏によるリスト名演集を収録した、1972〜73年録音盤。
伝説的なピアニスト、ボレットの思わず聴きたくなる名盤の一つで、後年の英デッカへの一連の演奏・録音より音色がより明るく、ロマンティックな情感が瑞々しく漲っている作品集であり、英デッカ盤を持っているファンにも是非聴き比べてもらいたい名盤と言えよう。
まず、音色がとても綺麗で、基本に忠実、中身が濃い演奏内容ありながらも滑らかな流れの演奏だ。
曲の解析は原曲に忠実であるため、オーソドックスでありながら嫌味がない。
なかでも、「スペイン狂詩曲」が、冴えたリズム感と技巧を堪能できる名演。
「愛の夢」や「ラ・カンパネラ」といったポピュラーな曲でも、そのグランドマナーに彩られたピアニズムが心にしみわたってくる。
リストはピアノの魔術師と言われているが、演奏会は常に超満員だったそうだ。
作曲よりも、ピアノ編曲に熱心だった時期が長く、有名な曲を作り変えてしまうのであるが、果たしてそんなことをしてもいいのか、という議論が起きたそうだ。
シューマンがその著書でリストを擁護しており、良いか悪いかは、聴衆が決める、と論じていた。
リストの名曲というと、作曲家自身もややするとそうであったように、とかく技巧一辺倒に陥りがちである。
しかし、ボレットの演奏はどうであろう。
リストが、まごうことなきロマン派の大巨匠であることが、ひしひしと伝わってくるではないか。
「溜め息」のアルペジオの鮮やかさや「森の囁き」の幻想味はもとより、「愛の夢」や「ラ・カンパネラ」といった超名曲でさえ、紡ぎ出される音楽は上質そのもので、有名な英デッカ盤を遥かに凌ぐ華麗かつ繊細な表現である。
リストはロマン派時代の音楽家なので、19世紀の流れを汲むロマンティックなヴィルトゥオーゾ・ピアニストと称されていたボレットには、リストに対しては特別な思いがあったようだ。
おそらく聴く人は、そのことを1曲目の「愛の夢」で、納得がいくであろう。
凡人には決して辿り着くことのできない深遠な境地を極めたピアニストだけに可能な演奏だと思う。
なお、このアルバムは構成がかなり凝らされており、センスの良い企画で、工夫してリストの曲集を組んだような気がする。
オリジナルの音源が良かったのもあろうが、ルビジウム・クロックジェネレーター使用最新カッティングを施したリマスターも成功のようで、微妙なタッチの差を明瞭に捉え切る録音は優秀そのものと言えよう。
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