2014年07月11日

ケーゲル&ドレスデン・フィルのヒンデミット:交響曲「画家マティス」、組曲「いとも気高き幻想」[SACD]


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ケーゲルは旧東ドイツでは、現代音楽と合唱曲のエキスパートとして著名であった。

彼は1978年から10年にわたってドレスデン・フィルの首席指揮者を務めたが、華々しく脚光を浴びることはついぞなかった。

しかし現代音楽の演奏では、明晰な解釈とある種エキセントリックな表現によって高い評価を受けていたことは間違いない。

当盤は、ヒンデミットの演奏で高い評価を得ていたケーゲルの代表的録音で、最初に聴いたときには衝撃を受けた。

「画家マティス」は、この曲のベスト演奏のひとつと言われているものであるが、筆者は「画家マティス」と「いとも気高き幻想」のどちらも最高の演奏と評価したい。

このヒンデミットの演奏は、ケーゲルの演奏スタイルを知る上では代表的なものとして挙げられよう。

主情的な見方は避け、曲のあるべき姿を正確に見極め、輪郭のはっきりした強靭なタッチでシリアスに描き出している。

「画家マティス」は作品に対するあたたかい共感を伝えるような演奏である。

ヒンデミットの精緻で目の詰んだ書法を重くもいかめしくもせず、柔軟と言えるほどの流動性をもたせて、しっとりと旋律を歌わせている。

自然なアゴーギクで音楽的な起伏をつくる構成もいい。

「いとも気高き幻想」も、のびやかな抒情性を表した好演。

これら両曲の異演盤では、例えば1995年のアバド&ベルリン・フィルの演奏と比べると、金管の音の豊かさが際立っている。

1本1本で聴けばやや不安定に思える所もあり、ベルリン・フィルの方が上に感じるが、オーケストラ全体としては、ドレスデン・フィルの方がまとまり感があって抜群に素晴らしい。

そのオーケストラのハーモニーを聴いていると、自分の耳の充実感がとても心地よく、思わずヒンデミット好きになったと感じてしまうほどである。

ケーゲルはこうした逸材であったにもかかわらず、東西ドイツ統一後、ブリテンの〈戦争レクイエム〉の録音を遺言のように残して自殺した。

ハイブリッドSACDの高音質録音も本盤の価値を高めるのに大きく貢献しており、各楽器の音が全体になじんでいて、オーケストラとしての一体感がある。

アナログレコーダーが編集に使用されているからであろうか、最近のSACDほどの透明感はないのだが、音のきつさは殆ど感じられなくなったと言ってよい。

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classicalmusic

早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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