2014年07月18日

ロジェストヴェンスキー&モスクワ放送響のシベリウス:交響曲全集


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マニアの間で復活が待ち望まれていた伝説的な快演「ロジェヴェンのシベリウス」。

これは確かに普通のシベリウス演奏とひと味もふた味も違う、とにかくパワフルで強烈な演奏で、こんな部分があったのかという驚きの連続だった。

調和している部分だけでなく、不協和な部分もしっかりと響かせていて、 良い悪いは別にして、きれいごとだけではすまされないシベリウス像がここにある。

奇をてらう印象は感じなかったが、明らかに一般的な指揮者と着眼点が違う。

随所で聴かれる金管軍団の炸裂サウンドを筆頭に、鋭利で強靭にしなる弦楽器、異様に表出力が強い木管群、雷鳴のように轟くティンパニと、通常のシベリウス演奏の枠を大幅に上回る力感の誇示には驚かされる。

とりわけ金管楽器の強大な音は確かに「爆演」であり、それが好評と不評を大きく左右すると言えるが、その奏法はロシア、旧ソ連のオーケストラにある程度共通するものであり、彼らの音に対する感覚がそのようになっているからだと思われる。

よく聴き込めば決して野放図に演奏しているのではなく、光り輝くようなニュアンスを持っていることがこのCDから十分聴き取ることができる(一定のレベルにある再生装置でなければ金管の音を精確に再生しきれないので注意)。

この全集では第2番が比較的穏やかな演奏で、むしろトスカニーニの方に過剰な情熱を感じるが、快速の第3楽章から第4楽章への盛り上がりは見事な演奏である。

第1番は盛大な感情の隆起に満たされた音楽として演出されており、大パレードを見るような面白さがある。

第5番も壮絶としか言いようがないが、ここまで徹底されてしまうと痛快ですらある。

第4番はなかなかの傑作で、非常に緻密であり、精細なオーケストラ技術による目の詰んだ表現を目指し、まるで研磨機で磨きこんだような音楽の地肌を見せる。

第3番、第6番、第7番ではロジェストヴェンスキーが伸びやかに歌わせている弦楽器、特にチェロが美しい音で捉えられていて、秀逸だ。

今まで聴いてきた中ではデイヴィス&ボストン響の上品で堅牢な演奏が全集としてもっとも優れているように思っていたが、このロジェストヴェンスキーの演奏は全く別の世界の優れた全集である。

特に第6番の第1楽章は他の演奏と比べるとこれが本当に同じ曲なのかと感じるほどオリジナリティーに富む演奏になっている。

この全集は好き嫌いのはっきりする演奏とも言えるが、優れたものであることは疑う余地はない。

細部にこだわって精密になればなるほど全体の強い流れを失うような今の演奏にはない、強い訴えがここにある。

決してロシア色一辺倒ではなくこの曲の持つ北欧的なそして内省的なカラーをロジェストヴェンスキーがその知性で上手く引き出した演奏となっている。

音質は、わずかにテープの経年を感じさせる部分はあるものの鮮明なステレオで、この凄まじいシベリウス演奏を生々しく捉えていて文句無しである。

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classicalmusic at 21:03コメント(0)トラックバック(0)シベリウス  

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classicalmusic

早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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