2022年11月22日
💿爽快で圧倒的な生命力に満ち溢れた🦸🏻バーンスタインのガーシュウィン:ラプソディ・イン・ブルー🔅パリのアメリカ人👤グローフェ:組曲「グランド・キャニオン」 ⛰️
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これは素晴らしい名演だ。
若き日のバーンスタインによる傑作の一つと言っても過言ではあるまい。
バーンスタインは、1980年代に入ると、演奏のテンポが大幅に遅くなるとともに、濃厚でいささか大仰な演奏を行うようになった。
マーラーの交響曲・歌曲集など、極めて優れた円熟の名演もある一方で、かかる晩年の芸風が大きくマイナスに働き、ウドの大木の誹りを免れないような凡演も多かったというのも否めない事実であった。
しかしながら、ニューヨーク・フィルの音楽監督(1958〜1970年)を務めていた時代の若き日のバーンスタインの演奏は、こうした晩年の芸風とは正反対であり、若武者ならではの爽快で溌剌とした快演を数多く行っていたところだ。
ある意味ではヤンキー気質丸出しの演奏と言えるところであり、オーケストラにも強引とも言うべき最強奏させることも多々あったが、それ故に音楽内容の精神的な深みの追求など薬にしたくもない薄味の演奏も多かったと言えるところだ。
もっとも、自ら作曲も手がけていたという類稀なる音楽性の豊かさは顕著にあらわれており、自らの芸風と符号した楽曲においては、熱のこもった途轍もない名演を成し遂げることも多かったと言える。
例えば、この時代に完成されたバーンスタインによる最初のマーラーの交響曲全集(1960〜1975年)は、後年の3つのオーケストラを振り分けた全集(1966〜1990年)とは違った魅力を有している。
そして、本盤に収められたガーシュウィンやグローフェについても、当時のバーンスタインの芸風と符号しており、爽快で圧倒的な生命力に満ち溢れたノリノリの指揮ぶりが見事である。
とりわけ、ガーシュウィンの「ラプソディ・イン・ブルー」においては、バーンスタインが指揮のみならずピアノまで受け持っているが、その才気が迸った情感のこもったピアノ演奏は、本名演の価値をさらに高めることに大きく貢献しているのを忘れてはならない。
円熟という意味では後年の演奏(1982年)を採るべきであるが、圧倒的な熱演という意味においては本演奏もいささかも引けを取っていないと考える。
また、「パリのアメリカ人」は、あたかもこれからヨーロッパに進出していくバーンスタインの自画像を描いているような趣きがあり、自らに重ね合わせたかのような大熱演は、我々聴き手の度肝を抜くのに十分な迫力を誇っている。
グローフェの組曲「グランド・キャニオン」の各場面の描き分けの巧みさは心憎いばかりであるし、どの曲も圧倒的な名演奏を仕上がっているのが素晴らしい。
若きバーンスタインによる名演をDSDリマスタリングの鮮明な音質で味わうことのできることを大いに喜びたい。
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