2014年07月25日

バーンスタイン&ウィーン・フィルのベートーヴェン:交響曲全集


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筆者はバーンスタインを押しも押されぬ史上最大のマーラー指揮者であると考えているが、その精神分裂的な性格がマーラーと通底するシューマンの交響曲や協奏曲を除けば、バーンスタインの指揮する独墺系の音楽は今一つ彫りの深さを感じさせる演奏が少ないと言える。

とりわけ、1980年代以降のバーンスタインの録音には、異常なスローテンポによる大仰な表情づけの演奏が増えてきたことから、マーラーやシューマンの楽曲を除いては、いささかウドの大木の誹りを免れない浅薄な凡演が多くなったと言わざるを得ない。

しかしながら、筆者も本盤に収められたベートーヴェンの交響曲全集を久々に聴き返してみたが、1977〜1979年のライヴ録音ということもあって、1980年代の演奏のような大仰さがなく、ウィーン・フィルによる名演奏も相俟って、素晴らしい名演に仕上がっていると言えるのではないだろうか。

バーンスタインは、1961〜1964年にかけてニューヨーク・フィルとともにベートーヴェンの交響曲全集をスタジオ録音しているが、それはいかにもヤンキー気質丸出しのエネルギッシュな演奏であり、随所に力づくの強引な最強奏も聴かれるなど外面的な効果だけが際立った浅薄な演奏であった。

本盤に収められた演奏でも、バーンスタインの音楽に彫りの深さを感じることは困難であるが、持ち前のカロリー満点の生命力に満ち溢れた演奏に、ウィーン・フィルによる極上の美演が付加されることにより、演奏全体に潤いと適度な奥行き、そして重厚さを付加することに成功している点を忘れてはならない。

いずれにしても、本全集は、バーンスタインによるエネルギッシュな力感溢れる指揮に、ウィーン・フィルによる美演が加わったことにより、剛柔バランスのとれた素晴らしい名演に仕上がっていると高く評価したい。

仮に、本全集の録音に際して、バーンスタインがウィーン・フィル以外のオーケストラを起用していたとすれば、これほどの魅力的で奥行きのある演奏にはならなかったのではないかとも考えられるところだ。

録音は、この廉価盤でも十分に満足できる良好な音質である。

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早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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