2014年07月27日

セル&クリーヴランド管のシューマン:交響曲第2番、ドビュッシー:海、他(1957年ルガノ・ライヴ)


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至高の名演として名高い「セル、ルガノ・ライヴ」の歴史的な録音がここに復活した。

このCDに収められた演奏は、アメリカでメジャーになったセル&クリーヴランド管弦楽団のコンビ初の欧州公演ということもあって、力の入りようがよく分かる内容になっている。

特にシューマンの第2番がライヴならではの強烈な名演奏で、セル&クリーヴランド管は、まったく一糸乱れぬ演奏を繰り広げるのだが、スタジオ収録と違い、演奏の熱気が次第にあがっていくのがよく分かる。

響きが分厚すぎるとかオーケストレーションに問題があると指摘を受けがちなシューマンの交響曲も、セルに手にかかれば響きはスッキリ整えられ、古典的な構成感も揺るぎがない。

このライヴではよほど興がのったのか、クールと言われがちなセルの指揮も非常に瑞々しく、即興的で驚異的なテンポと物凄い精度の高さの両立が成し遂げられている。

この翌年のステレオによる正規録音があるが、白熱した緊張感を孕むこの演奏は聴き逃せない。

古典的に引き締まったフォルムで磨き上げられた筋肉美を見るような演奏はステレオ盤と変わらないが、ここでは冷たい熱を帯びている。

第1楽章は絶妙なバランスとアンサンブルでスタイリッシュに仕上げている。

第2楽章のスケルツォは躍動感が素晴らしく、終結に至る弦の刻みの正確な動きはサーカスのようだ。

カーブでも一切減速なしに突っ走るから遠心力で吹き飛ばされそうな緊張が走る。

第3楽章は一転落ち着いた抒情が歌われ、ここでもロマン的に拡大するのでなく音は凝縮している。

終楽章もアクセル全開で燃えまくっているが、それでもセルの鍛えあげたクリーヴランド管はアンサンブルが乱れず、バランスの良い端正な演奏ぶりは大したものであり、均整のとれた後半ではトランペットが輝かしく咆哮する。

ドビュッシーの「海」も見通しの良いクリアーな響きが見事で、セルにしては緩急自在にテンポを動かしており、やはりスタジオ録音のクールな印象とは異なる血の通った熱い演奏だ。

ライヴならではの勢いで押し切ったような演奏とも言えるところであり、細部には全く拘らない、厳しく躍動的なセルの芸術を心行くまで堪能できる。

なお、このCDには同日のアンコールのベルリオーズの「ラコッツィ行進曲」が収められている。

これも速めのテンポで折り目正しく演奏されているようだなと聴いていたら、最後の1分ではものすごい加速が始まりオケが歯を食いしばり必死に棒についていく壮絶な展開になり、当然聴衆は興奮状態になってしまう。

音質は海賊盤と聴き比べてみると、当盤では付加されたエコーを取り除いており、クリアそのもので、真性モノラルながらステレオではないかと思うほど、音場の拡がりなどの録音状態が良好である。

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classicalmusic at 22:39コメント(0)トラックバック(0)セル | シューマン 

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classicalmusic

早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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