2022年12月03日
異様な充実感が全体を貫き🫒伝統的な解釈とは異なる現代的な表現🗽バーンスタイン🤝ニューヨーク・フィル🌎ベートーヴェン:交響曲全集
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バーンスタインのベートーヴェン全集(旧盤)は異様な充実感が全体を貫いている。
そして、この演奏は良くも悪くもバーンスタイン臭の充満した演奏である。
例えば「エロイカ」の第1楽章で、速めのテンポで畳み掛けながら緊張を緩めまいとしている点に、そうしたことが言える。
それにリズム感が異質だ。
これは、全体を通して言えることだから、明らかにこのリズム感はバーンスタインその人のリズム感である。
「第5」では、誰もがまず、テンポが極度に抑制されている、と気づくだろう。
もちろんバーンスタインはそのテンポを最後まで見事に維持している。
彼は恣意的になることを巧みに避け、主観的な要素さえも極力抑え、その意味では演奏の進め方は、まことに慎重である。
解釈者としての彼の力は、意外なところで余すところなく発揮されているのである。
「田園」は個性的な表現で、音楽が楽天的と言えるほどよく弾んでいる。
ドイツの伝統的な解釈とは異なる現代的な表現と言えるが、作品に共感した真実性は高く評価したい。
「第9」は劇的で起伏の激しい、主張の明快な演奏である。
もちろん、バーンスタインはこの巨大な作品の伝統的な演奏様式を十分に知った表現で、例えばトスカニーニのように徹底した解釈ではないが、それでも第1楽章の劇的な推進力や第3楽章の腰の強い表現など、バーンスタイン以外の何者でもない。
終楽章は各部分が的確な表現であり、楽想をくっきりと描いている。
独唱と合唱も見事だ。
「フィデリオ」序曲と「レオノーレ」序曲第3番も、バーンスタインの自己主張が強いが、それが作品の求める様式と一致しないところがあるのは惜しまれる。
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