2014年08月18日
ラローチャのラフマニノフ:ピアノ協奏曲第3番、フランク:交響的変奏曲
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スペイン生まれの{ピアノの女王}ラローチャの貫禄十分の演奏に聴き惚れてしまうアルバムだ。
ラフマニノフのピアノ協奏曲第3番は、ホロヴィッツ盤をきっかけに虜になり、半年くらいかけて、ギレリスやアシュケナージなど、様々な演奏を聴き比べてみた。
女流では、アルゲリッチ盤が、エネルギーの結晶のような演奏内容で、あれほどの演奏は、よほどの気力が充実していなければ難しい。
なぜ、ここでアルゲリッチの話をするのかというと、それは、ラローチャの演奏が、アルゲリッチ盤と対極をなすものと感じたからだ。
ラフマニノフの第3番において、アルゲリッチの演奏は、攻撃的・挑戦的かつスリリングだ。
それは第2楽章から第3楽章へブリッジを架ける部分および、第3楽章のコーダにおいて顕著に表出されている。
展開する直前、鋭い視線で指揮者に突撃の「のろし」をあげ、一気に攻め込む、といった感じであろうか、聴いた後の爽快感は、ほかに類を見ない。
そのようなアルゲリッチの演奏に対し、ラローチャの演奏は、どうだろうか。
最初にこれを聴いてしまうと、恐らく退屈な演奏に感じてしまうだろう。
しかし、これは決して、退屈な演奏ではなく、優雅と解釈するべき演奏内容なのだ。
それと同時に、スペイン女性が持つ気丈さ、芯のある粘り強さを感じさせてくれる。
ところで、ラローチャは、意外と小柄な女性らしいが、威風堂々のジャケット写真はそれを感じさせない。
ジャケットの衣装は、錦鯉を彷彿させる色合いに見えないだろうか。
難解なパッセージを優雅にかわす様子は、たとえるなら優雅に池を泳ぐ錦鯉だろう。
ラローチャは小柄だからラフマニノフを弾く人だとは思われていないが、演奏の端正さと表現力、技法でこれだけ弾ける人は滅多にいない。
フランクの交響的変奏曲も、貫禄十分の名演奏で、ラフマニノフもフランクも凄い勢いで弾きこなしている。
最後に、ラローチャは{ピアノの女王}と呼ばれているが、すでに相当の高齢であり、次のピアノの女王は、果たして誰になるのか、興味がつきないところだ。
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