2014年08月18日

カラヤン&ベルリン・フィルのホルスト:組曲「惑星」


この記事をお読みになる前に、人気ブログランキングへワンクリックお願いします。



本盤に収められたホルストの組曲「惑星」は、カラヤンによる2度目のスタジオ録音である。

最初の録音は1961年であり、ウィーン・フィルとの演奏であった。

したがって、本盤の演奏はそれから20年後の新録音ということになる。

1981年と言えば、カラヤン&ベルリン・フィルという、クラシック音楽史上でも最高の黄金コンビが最後の輝きを見せた時期に相当する。

翌年にはザビーネ・マイヤー事件が勃発し、この黄金コンビには修復不可能な亀裂が生じることに鑑みれば、本演奏は、この黄金コンビの究極の到達点を反映していると言えるのではないか。

実際に、カラヤンの伝記などを紐解くと、ベルリン・フィルの団員は、本盤のスタジオ録音前は、組曲「惑星」を相当に見下していたということである。

ところが、練習時におけるカラヤンの真摯な姿勢を見て、団員は同曲に対する見方をあらため、それからは真剣に練習に取り組んだということであり、その意味でも、本演奏は、カラヤン、そしてベルリン・フィルが真剣勝負で挑んだ、この黄金コンビの究極の到達点に相応しい名演奏に仕上がっていると言っても過言ではあるまい。

この黄金コンビは、とりわけ1960年代〜1970年代にかけて、ベルリン・フィルの鉄壁のアンサンブルや超絶的な技量をベースに、カラヤンが流麗なレガートを施し、重厚にして華麗ないわゆるカラヤン・サウンドを醸成していた。

そしてこのいわゆるカラヤン・サウンドを駆使した演奏は、まさにオーケストラ演奏の極致とも言うべき圧倒的な音のドラマの構築に成功していたと言えるだろう。

本盤の演奏でも、そうした圧倒的な音のドラマは健在であり、おそらくは同曲の演奏史上でも最も重厚にして華麗な名演と言ってもいいのではないだろうか。

しかしながら、同曲に特有のイギリス音楽ならではの詩情の豊かさと言った点においては、いささかカラヤン・サウンドによって犠牲を強いられた感も無きにしも非ずであり、そうしたイギリス的な詩情の豊かさや、同曲を一大人気曲に伸し上げることに貢献したという意味においては、筆者としてはウィーン・フィルとの旧盤の方をより上位の名演に掲げたいと考える。

もっとも、本演奏についても、前述のように、カラヤン&ベルリン・フィルの黄金コンビが構築し得た究極の音のドラマとして、十分に存在価値のある素晴らしい名演であると高く評価したい。

音質については、これまでリマスタリングが行われたこともあって、従来CD盤でも十分に良好な音質であったが、今般のSHM−CD化によって、若干ではあるが音質が鮮明になるとともに、音場が幅広くなったように思われる。

いずれにしても、カラヤンによる素晴らしい名演をSHM−CDによる高音質で味わうことができるのを大いに喜びたい。

ところで、クラシック音楽情報ならこちらがオススメです。
人気ブログランキング



フルトヴェングラーのCDなら、 フルトヴェングラー鑑賞室



classicalmusic at 22:16コメント(0)トラックバック(0)ホルスト | カラヤン 

トラックバックURL

コメントする

名前
 
  絵文字
 
 
メルマガ登録・解除
 

Profile

classicalmusic

早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

Categories
Archives
Recent Comments
記事検索
  • ライブドアブログ