2014年08月20日
デュメイ&ピリスのフランク、ドビュッシー、ラヴェル:ヴァイオリンソナタ集
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本盤には、デュメイがピリスと組んでスタジオ録音を行った、フランク及びドビュッシーのヴァイオリンソナタ、そしてラヴェルのツィガーヌ等といった、フランスを代表するヴァイオリン曲が収められている。
いずれも、至高の超名演と高く評価したい。
デュメイのヴァイオリン演奏は超個性的だ。
持ち前の超絶的な技巧をベースに、緩急自在のテンポ設定、思い切った強弱の変化、心を込め抜いた節回しや時として若干のアッチェレランドなどを交えつつ、楽曲の細部に至るまで彫琢の限りを尽くした演奏を展開しており、その情感豊かで伸びやかな表現は自由奔放で、なおかつ即興的と言ってもいいくらいのものである。
楽曲のトゥッティに向けて畳み掛けていくような気迫や生命力にも申し分のないような力強さが漲っており、かかる強靭さや繊細な抒情に至るまで、表現力の幅は桁外れに広い。
また、各フレーズに込められたフランス風のエスプリ漂う美しい情感は、いかにもフランス人ヴァイオリニストならでは瀟洒な味わいに満ち溢れており、デュメイの自由奔放とも言うべき即興的な超個性的演奏に、気品と格調の高さを付加しているのを忘れてはならない。
そして、このようなデュメイの個性的なヴァイオリン演奏をうまく下支えしているのがピリスのピアノ演奏である。
ピリスのアプローチは、各楽曲のフランス風の詩情に満ち溢れた旋律の数々を、瑞々しささえ感じさせるような透明感溢れるタッチで美しく描き出していくというものだ。
その演奏は純真無垢とさえ言えるものであり、世俗の穢れなどはいささかも感じさせず、あたかも純白のキャンバスに水彩画を描いていくような趣きさえ感じさせると言えるだろう。
もちろん、柔和な表情を見せるのみならず、重厚な強靭さにおいてもいささかも不足はなく、いい意味での剛柔バランスのとれた名演奏を行っていると評価したい。
そして、このようなデュメイのヴァイオリンとピリスのピアノという両者の極上の名演奏が見事に融合した結果、おそらくは本盤に収められた各楽曲の演奏史上最も格調が高く、そしてフランス風のエスプリ漂う美しさの極みとも言うべき至高の超名演を成し遂げるに至ったのだと考える。
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