2014年08月23日
カラヤン&ベルリン・フィルの幻想序曲「ロミオとジュリエット」、組曲「くるみ割り人形」
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カラヤンはチャイコフスキーを得意としており、交響曲については全集を含め後期3大交響曲集を繰り返し録音するとともに、4度にわたるピアノ協奏曲やヴァイオリン協奏曲、そして主要な管弦楽曲など、途轍もない数の録音を行っているところである。
本盤に収められた幻想序曲「ロミオとジュリエット」及び組曲「くるみ割り人形」も、両曲ともにカラヤンによる4度目の録音に相当する(幻想序曲「ロミオとジュリエット」についてはウィーン・フィルとの1946年及び1960年の録音、ベルリン・フィルとの1966年及び本盤の1982年の録音が存在している。他方、組曲「くるみ割り人形」については、フィルハーモニア管との1952年の録音、ウィーン・フィルとの1961年の録音、ベルリン・フィルとの1966年及び本盤の1982年の録音が存在している)。
本盤はLP時代に、カラヤンの75歳の記念アルバムとして写真集が添付されていたのを記憶している。
CD化されてからは、当該写真集は殆ど忘れられた存在となっているが、CDとしては比較的収録時間の少ない本盤だけに、かつての写真集を何らかの形で添付するなどの工夫を講じて欲しいと思う聴き手は筆者だけではあるまい。
演奏については名演ではある。
しかしながら、これは一般的な評価であり、カラヤンによる演奏としては必ずしもベストフォームにあるとは言い難いのではないだろうか。
本盤に収められた楽曲をカラヤン&ベルリン・フィルによる演奏で聴くのであれば、幻想序曲「ロミオとジュリエット」及び組曲「くるみ割り人形」ともに1966年の演奏をお薦めしたいと考える。
本盤の演奏の録音は1982年9月。
これは、カラヤンとベルリン・フィルの関係に深刻な亀裂が走ることになったザビーネ・マイヤー事件が勃発した時期に相当する。
したがって、カラヤン&ベルリン・フィルという黄金コンビによる圧倒的な演奏にも陰りが出てきたと言えるところであり、本演奏にも前述の1966年盤にあった重厚さや華麗さがいささか減じていると言えなくもないところだ。
もっとも、本演奏においても、カラヤン、そしてベルリン・フィルともにお互いにプロフェッショナルとして水準以上の演奏を行ってはいるが、過去の名演からすればいささか物足りないと言わざるを得ないことについては指摘しておかなければならない。
録音は、リマスタリングが行われたこともあって、従来盤でも十分に満足できる音質であると評価したい。
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