2014年09月26日

ヤナーチェク:シンフォニエッタ、消えた男の日記(アバド)/タラス・ブーリバ(ガーディナー)


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アバドは、ベルリン・フィルの芸術監督就任後は低迷期にあったと言えるのではないだろうか。

というのも、それ以前にはロンドン交響楽団やシカゴ交響楽団などと豊かな歌謡性と力強い生命力が融合した素晴らしい名演の数々を成し遂げていたにもかかわらず、ベルリン・フィルの芸術監督に就任してからは借りてきた猫のように大人しい演奏に終始するようになってしまったからである。

アバドも、さすがにベルリン・フィルの芸術監督の荷が重かったせいか病に倒れてしまった。

しかしながら、それが皮肉にもけがの功名となり、大病の克服後は、彫りの深い凄味のある演奏の数々を聴かせてくれるようになった。

そのようなアバドであるが、本盤はベルリン・フィルの芸術監督就任前の絶好調時代のアバドによる演奏だ。

当然のことながら演奏が悪いわけがなく、これは前述のような豊かな歌謡性と力強い生命力が融合したアバドならではのアプローチによる至高の超名演と高く評価したい。

両曲のうち「シンフォニエッタ」については、アバドは1966年にロンドン交響楽団とともにスタジオ録音しているが、本演奏の方がはるかに上出来と言えるだろう。

そうなった理由は、もちろんアバドの円熟もあるが、それと同時にベルリン・フィルの好演によるところも大きいと考えられる。

というのも、本演奏が録音された1987年当時のベルリン・フィルは、ザビーネ・マイヤー事件勃発以降不仲となりウィーン・フィルに軸足を移したカラヤンに対抗するため、ポストカラヤンと目される指揮者とは、圧倒的な名演奏を成し遂げていた。

本演奏も、そうした一連の流れの中での名演奏であり、シンフォニエッタにおける金管楽器のブリリアントな響きなどでカラヤン色をあまり感じさせないのも、当時のベルリン・フィルの団員の心意気を窺い知ることができて大変興味深い。

「消えた男の日記」におけるラングリッジやバリーズの歌唱も見事であり、RIAS室内合唱団も最高のパフォーマンスを示している。

なお、本盤には、ガーディナー指揮の「タラス・ブーリバ」が収められている。

演奏自体は優れたものであると言えるが、筆者としては、ベスト100を構成するCDとは言えども芸格があまりにも違いすぎる指揮者(もちろんアバドの方が格上)の演奏とのカップリングについては感心するものではなく、メーカーにもこのような安易なカップリングについてこの場を借りて再考を求めておきたい。

録音は従来盤でも十分に満足できる音質であったが、今般のSHM−CD化によって音質が鮮明になるとともに音場がかなり広くなった。

アバドによる至高の超名演をSHM−CDによる高音質で味わうことができるのを大いに喜びたい。

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早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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