2014年08月30日
カラヤン&ベルリン・フィルのR.シュトラウス:アルプス交響曲[DVD]
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カラヤンはR.シュトラウスの音楽を十八番としており、管弦楽曲や協奏曲、管弦楽伴奏付き歌曲、オペラに至るまで数多くの録音や映像作品を遺している。
特に、交響詩については、初期の「マクベス」を除き、それぞれ複数の録音や映像作品を遺している。
ところが、これらの交響詩の集大成として作曲されたアルプス交響曲をレパートリーに加えたのは、1980年になってからで、本盤はそれから3年後のライヴ映像収録である。
家庭交響曲を1973年に録音していることからしても、これは実に遅すぎたのではないかとも言える。
その理由の解明はさておき、カラヤン&ベルリン・フィルによる1980年盤が登場する以前は、アルプス交響曲の録音などは極めて少なかったと言わざるを得ない。
ベーム&ドレスデン国立管(1957年)はモノラルであり問題外で、質実剛健なケンぺ&ドレスデン国立管(1970年)が唯一の代表盤という存在であった。
この他にはスペクタクルなメータ&ロサンジェルス・フィル盤(1975年)や快速のテンポによるショルティ&バイエルン放送響盤(1979年)があったが、とても決定盤足り得る演奏ではなかった。
そうしたアルプス交響曲を、現在における一大人気交響曲の地位に押し上げていくのに貢献した演奏こそが、本盤に先立つ1980年に録音されたカラヤン&ベルリン・フィルによる至高の超名演である。
当該カラヤン&ベルリン・フィル盤の発売以降は、様々な指揮者によって多種多様な演奏が行われるようになり、現在では、R.シュトラウスの他の有名交響詩の人気をも凌ぐ存在になっているのは周知の事実である。
いずれにしても、本映像作品(1983年ライヴ)は、カラヤン&ベルリン・フィルの黄金コンビが構築し得た究極の音のドラマと言えるだろう。
本演奏でのベルリン・フィルのアンサンブルの鉄壁さはあたかも精密機械のようであり、金管楽器や木管楽器の超絶的な技量には唖然とするばかりだ。
肉厚の弦楽合奏や重量感溢れるティンパニの響きは圧巻の迫力を誇っており、カラヤンの代名詞でもある流麗なレガートも好調そのものだ。
アルプス交響曲については、前述のように1980年盤の登場以降、様々な指揮者によって多種多様な名演が成し遂げられるようになったが、現在においてもなお、本演奏は、いかなる名演にも冠絶する至高の超名演の座を譲っていないものと考える。
CDも超名演であったが、このDVDに収められた映像では、大管弦楽を自在に指揮するカラヤンを見ることができて、ライヴの熱気もあり、見ていて壮観だ。
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