2014年08月27日
パーヴォ・ヤルヴィ&シンシナティ響のプロコフィエフ:「ロメオとジュリエット」組曲
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劇音楽「ロミオとジュリエット」は、コマーシャルなどでも採り上げられたこともあり、今やプロコフィエフの最も人気のある作品と言えるのではないか。
かつては、マゼール&クリーヴランド管弦楽団による超名演が独り勝ちの時代もあったのだが、最近ではLPのCD化も含め、数多くのCDが発売されてきているように思われる。
プロコフィエフを決して評価していなかったとも言われるムラヴィンスキーも、来日時のライヴ録音を含め数点のCDが発売されているし、ゲルギエフは2度にわたって全曲録音を行っている。
スクロヴァチェフスキやアバド、小澤(全曲版)、デュトワなどの質の高いCDもあるなど、名演には事欠かない状況となっている。
本盤のパーヴォ・ヤルヴィによる演奏も、これら古今東西の名演にも決して引けをとらない名演と高く評価したい。
全曲版ではないが、第1〜3組曲を収録するなど聴きどころとなる楽曲はすべて収められており、鑑賞するのには、この程度の長さがちょうどいいのではないかとも考えられる。
パーヴォ・ヤルヴィは、例によって、曲想を精緻に丁寧に描き出していく。
プロコフィエフの管弦楽法には不協和音を駆使したいわゆる音の濁りがあるのだが、そうしたものも含め、スコアに記された音符をすべて明瞭にバランス良く鳴らすことに腐心しているかのようだ。
では、単に音符のうわべだけを取り繕った薄味の演奏かというと、決してそのようなことはなく、どこをとってもコクのある情感豊かな音楽が構築されているのが素晴らしい。
また、各組曲を構成する楽曲毎の描き分けも実に巧みに行っており、パーヴォ・ヤルヴィの演出巧者ぶりが存分に発揮されている。
このような純音楽的なアプローチによる名演を聴いていると、あらためてパーヴォ・ヤルヴィの類稀なる音楽性の豊かさとともに、前途洋々たる将来性を大いに感じるのである。
シンシナティ交響楽団も、各管楽器奏者や弦楽器奏者の技量といい、音色の美しさといい、最高のパフォーマンスを示している。
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