2014年08月27日

カラヤン&ベルリン・フィルのマーラー:交響曲第9番


この記事をお読みになる前に、人気ブログランキングへワンクリックお願いします。



本盤に収められた演奏は、マーラーの「第9」演奏史上最も美しい演奏であるだけでなく、カラヤン&ベルリン・フィルが成し遂げた数々の名演の中でも究極の美を誇る至高の超名演と高く評価したい。

カラヤン&ベルリン・フィルの黄金時代というのは1960年代及び1970年代というのが大方の見方だ。

1982年末になると、ザビーネ・マイヤー事件が勃発し、カラヤンとベルリン・フィルの関係が修復不可能になるまで悪化するが、それ以前の全盛期のカラヤン&ベルリン・フィルの演奏はそれは凄いものであった。

一糸乱れぬ鉄壁のアンサンブル、ブリリアントな金管楽器による朗々たる響き、桁外れのテクニックを披露する木管楽器、雷鳴のように轟くティンパニなどを展開するベルリン・フィルをカラヤンは卓越した統率力で纏め上げ、流麗なレガートを駆使して楽曲を徹底的に美しく磨きあげた。

そうして生み出された演奏は、まさにオーケストラ演奏の極致とも言うべきものであり、かかる演奏に対しては、とある影響力のある某音楽評論家などは精神的な内容の浅薄さを批判しているが、それを一喝するだけの圧倒的な音のドラマの構築に成功していた。

本演奏は、前述のザビーネ・マイヤー事件が勃発する直前にライヴ録音されたものであり、カラヤン&ベルリン・フィルが構築し得た最高の音のドラマがここにあると言えるだろう。

スタジオ録音に固執しライヴ録音を拒否してきたカラヤンが、本演奏の3年前にスタジオ録音した同曲の演奏(1979年)を、当該演奏も完成度が高い名演であるにもかかわらず、本ライヴ盤に差し替えたというのは、カラヤン自身としても本演奏を特別視していた証左であると考えられる。

マーラーの「第9」には、バーンスタイン&コンセルトヘボウ盤(1985年)やワルター&ウィーン・フィル盤(1938年)といった、マーラーが同曲に込めた死への恐怖と闘いや生への妄執や憧憬を音化したドラマティックな名演があり、我々聴き手の肺腑を打つのはこれらドラマティックな名演である。

これに対して、カラヤンによる本演奏は、それらのドラマティックな名演とはあらゆる意味で対極にある演奏であり、ここには前述のような人間のドラマはいささかもなく、純音楽的な絶対美だけが存在している。

しかしながら、その圧倒的な究極の音のドラマは、他の指揮者が束になっても構築不可能であるだけでなく、クラシック音楽史上最大のレコーディング・アーティストであったカラヤンとしても、晩年になって漸く構築し得た高峰の高みに聳えた崇高な音楽と言えるところであり、バーンスタイン盤などの名演との優劣は容易にはつけられないものと考える。

その意味で、筆者としては改めて本盤を、カラヤン&ベルリン・フィルによる究極の到達点として高く評価したい。

ところで、クラシック音楽情報ならこちらがオススメです。
人気ブログランキング



フルトヴェングラーのCDなら、 フルトヴェングラー鑑賞室



classicalmusic at 22:51コメント(0)トラックバック(0)マーラー | カラヤン 

トラックバックURL

コメントする

名前
 
  絵文字
 
 
メルマガ登録・解除
 

Profile

classicalmusic

早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

Categories
Archives
Recent Comments
記事検索
  • ライブドアブログ