2014年09月06日

メロスSQ(&ロストロポーヴィチ)のシューベルト:弦楽五重奏曲


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メロス弦楽四重奏団は、1965年にシュトゥットガルト室内管弦楽団の首席奏者などによって結成されたドイツの団体である。

中心的なメンバーであった第1ヴァイオリンのヴィルヘルム・メルヒャーの死によって、2005年に惜しくも解散したが、ドイツの団体らしく重心の低い重厚な音色には定評があり、シューベルトの楽曲についても、弦楽四重奏曲も全集を完成させるなど得意のレパートリーとしていた。

もっとも、アルバン・ベルク弦楽四重奏団とは異なり、現代音楽は一切演奏しなかったことから、いかなる流行にも右顧左眄されることなく、ドイツ音楽の伝統に根差したオーソドックスな演奏を貫き通したという意味において、質実剛健な職人肌の名弦楽四重奏団であったとも言えるだろう。

本盤の演奏も、メロス弦楽四重奏団の面目躍如たる重厚なドイツ正統派の名演。

シューベルトの交響曲第9番「ザ・グレイト」を「天国的な長さ」と称して高く評価したのはシューマンであるが、本盤の演奏は、同曲の様々な団体による演奏の中でも、最も「天国的な長さ」を感じさせる名演奏と言えるだろう。

シューベルトが指定した反復のすべてを実行するなど、かのアルバン・ベルク弦楽四重奏団が47分程度をかけて同曲を演奏しているのに対して、57分程度もかけて演奏しており、演奏時間からしても天国的な長さを大いに感じさせてくれると言えるところだ。

前述のように、現代音楽は一切演奏しない団体であるだけあって、演奏は、前期ロマン派の作曲家であるシューベルトによる楽曲の範疇を逸脱しないオーソドックスなもの。

曲想を精緻かつ重厚に描き出していく演奏は、清澄な美しさに満ち溢れた同曲の魅力を最大限に引き出すのに大きく貢献していると言えるだろう。

同曲の魅力を安定した気持ちで味わうことができるという意味においては、最もお薦めできる名演と言えるところであり、アルバン・ベルク弦楽四重奏団の演奏の持つある種の現代的な革新性に抵抗感を覚えるクラシック音楽ファンには、最も受け容れられる演奏と思われるところだ。

ロストロポーヴィチのチェロ演奏は、後年のエマーソン弦楽四重奏団との演奏と同様に、いささか雄弁に過ぎるというきらいもないわけではないが、心を込め抜いた情感豊かな演奏には抗し難い魅力が満ち溢れていると言えるところであり、これだけ堪能させてくれれば文句は言えないのではないだろうか。

エマーソン弦楽四重奏団との演奏との優劣については高い次元での比較の問題であり、クラシック音楽ファンの好みの問題に帰するものと考えられる。

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早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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