2014年09月09日

ミケランジェリ&グラチスのラヴェル:ピアノ協奏曲 ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第4番


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これは素晴らしい名演だ。

鬼才とも称されたミケランジェリは完全主義者として知られ、それ故にレコーディングには厳しい姿勢で臨んだことから、録音の点数は限られている。

その分、遺された録音はいずれ劣らぬ名演と言えるが、そうした名演の中でも、おそらくは本盤こそは、その中でも最高のアルバムの一つと言えるのではないだろうか。

ミケランジェリは、超絶的な技巧はさることながら、その透明感溢れるピアノタッチには出色の美しさがある。

完全主義者故に、即物的な演奏をするとの印象を与えがちであるが、本盤の両曲の演奏を聴くと、むしろイタリア人ピアニストならではの歌心溢れる情感豊かな演奏をも行っていたことが理解できるところだ。

特に、ラヴェルのピアノ協奏曲の第2楽章のこの世のものとは思えないような極上の美しさは、ミケランジェリだけに可能な至高の表現と言えるところであり、抗し難い魅力に満ち溢れている。

この第2楽章と両端の第1楽章及び終楽章との表現の対比は実に巧みであり、卓越した技量も相俟って、同曲の様々なピアニストによる名演の中でもトップの座を争う至高の名演に仕上がっていると高く評価したい。

ラフマニノフのピアノ協奏曲第4番は、若書きの第1番は別として、有名な第2番や第3番と比較すると、不当にも目立たない存在に甘んじているが、本演奏を聴くと、本演奏以外に名演に恵まれなかったことが原因ではないかとも思われるところだ。

それほどまでに、本演奏の優秀性はずば抜けたものがあると言えるだろう。

ラフマニノフの楽曲特有のロシアへの望郷の念に根差したメランコリックな抒情と、ラフマニノフとしては稀とも言える近現代音楽としてのある種の革新性が、同曲には併存していると考えられるが、ミケランジェリは、テンポの効果的な振幅などを駆使して、同曲の魅力を見事に描き出すのに成功している。

いずれにしても、本演奏こそは、ラフマニノフのピアノ協奏曲第4番の真の魅力を十二分に表現し得た唯一の名演と高く評価したい。

指揮者のエットレ・グラチスは殆ど無名の存在であるが、本盤の両曲の演奏では、ミケランジェリの卓越したピアノ演奏を引き立てつつ、フィルハーモニア管弦楽団をしっかりと統率して、持ち得る実力以上のものを発揮した稀代の名演奏を展開していると評価したい。

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早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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