2014年09月19日

C・クライバー&ウィーン・フィルのシューベルト:交響曲第3番&第8番「未完成」[SACD]


この記事をお読みになる前に、人気ブログランキングへワンクリックお願いします。



カルロス・クライバーは、その実力の割には極端にレパートリーの少ない指揮者として知られているが、本盤に収められているシューベルトの交響曲第8番「未完成」及び第3番については、その数少ないレパートリーの1つとして稀少な存在である。

ひとたびレパートリーとした楽曲については、クライバーは何度も演奏を繰り返したが、ベートーヴェンの交響曲第4番や第7番などと比較すると、シューベルトの交響曲については著しく演奏頻度が低く、その意味でも本盤の演奏は極めて貴重なものと言えるだろう。

それにしても、演奏は素晴らしい。

「未完成」について言えば、同曲のウィーン風の情感に満ち溢れた旋律の数々を歌い抜くワルターなどによる演奏が名演の主流を占めているが、クライバーによる演奏は、それとは異なる性格を有している。

テンポはやや速めであり、旋律も歌い抜くという感じではない。

むしろ、クライバーの颯爽とした華麗な指揮ぶりを彷彿とさせるような、スマートな演奏であるとも言える。

ここはもう少し情感豊かに歌って欲しいと思われる箇所についても、あっさりと通り過ぎてしまう。

したがって、一聴すると物足りなさを感じさせるとも言えなくもない。

しかしながら、よく聴くと、楽曲の細部にわたって驚くほどの細やかなニュアンスが込められていることがわかるところだ。

例えば、「未完成」の第1楽章においては、第1主題と第2主題のテンポを殆ど気づかれない程度に変えているということであり、これによって、第1楽章の明暗の対比を見事に表現するのに成功している。

また、第2楽章も、その様相は決して歌わない演奏ではあるが、各旋律の端々には独特の細やかな表情づけがなされており、書道家に例えて言えば、本演奏こそはまさに名人に一筆書きと言った趣きがあると言えるだろう。

交響曲第3番については、他に強力なライバル盤が存在しないことから、クライバーの独壇場。

クライバーの颯爽とした指揮ぶりも楽曲の性格に符号しているとも言えるところであり、同曲演奏史上最も生命力に満ち溢れた力感の込められた名演に仕上がっていると高く評価したい。

音質については、数年前にSHM−CD盤が発売されるなど、高音質化への不断の努力が行われてきたが、ついに今般、待望のシングルレイヤーによるSACD&SHM−CD盤が発売される運びとなった。

音質の鮮明さ、音場の幅広さ、そして音圧のいずれをとっても超一級品の仕上がりであり、あらためてSACD盤の潜在能力の高さを思い知った次第である。

いずれにしても、クライバーによる至高の名演を、現在望みうる最高の高音質シングルレイヤーによるSACDで味わうことができるのを大いに喜びたい。

ところで、クラシック音楽情報ならこちらがオススメです。
人気ブログランキング



フルトヴェングラーのCDなら、 フルトヴェングラー鑑賞室



classicalmusic at 00:34コメント(0)トラックバック(0)シューベルト | クライバー 

トラックバックURL

コメントする

名前
 
  絵文字
 
 
メルマガ登録・解除
 

Profile

classicalmusic

早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

Categories
Archives
Recent Comments
記事検索
  • ライブドアブログ