2014年09月20日

ジュリーニ&オルケストラ・ジョヴァニーレ・イタリアーナのベートーヴェン:交響曲第6番「田園」


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1999年2月13日、フィレンツェで行われたイタリアのユース・オーケストラ“オルケストラ・ジョヴァニーレ・イタリアーナ”とのライヴ録音の登場だ。

ジュリーニは1998年に引退を公式に表明していたということもあり、この公演は「公開総練習」という形で行われたということである。

なお、ジュリーニはこの2ヵ月後の4月30日にも、ミラノでジュゼッペ・ヴェルディ交響楽団を指揮して同じく「田園」を指揮しているので、よほどこの作品が気に入っていたものと思われる。

実際、CDでも前項で掲げたニュー・フィルハーモニア管(1968 EMI)、ロサンゼルス・フィル(1979 DG)、ミラノ・スカラ座フィル(1991 SONY)と3つのセッション録音を残していてどれも見事な仕上がりを示していたし、実演でも1990年にベルリン・フィルを指揮して演奏していた。

今回のCDでは、オーケストラがユース・オーケストラということで、若い音楽家たちが見せる熱意が演奏を非常に瑞々しく感動的なものとしており、演奏終了後にはジュリーニから思わず「ブラーヴォ」の声が漏れているとか。

若い音楽家たちは、すっかりジュリーニのペースに巻き込まれている。

第1楽章の最初からして、いったいこれが若者たちの奏でる音楽かと驚くほかないような穏やかな表情で始まる。

イタリアらしい明るく柔らかい弦楽器のハーモニーも印象的だが、それにもまして、ゆったりと甘美に歌う第2楽章と言ったら。

単にきれいなだけではない。

音楽は深い平和と幸福を感じさせつつ静かに進んでいく、まるで天上のしらべのようだ。

あらゆる楽器がひとつの大きな流れの上に身を委ねて、ゆっくりと通り過ぎていく、完璧にジュリーニの最晩年の音楽である。

そして知らず知らずのうちに、聴き手も演奏家たちと同じくこの静謐な楽園の空気を呼吸する。

さかのぼること8年前、ジュリーニはミラノ・スカラ座フィルと「田園」を録音していた。

そちらもまた魅力的な演奏ではあるが、趣の深さという点では、若者たちの奏でる音楽はそれすらを凌駕しているのだ。

これには驚くほかないではないか。

知らなかったことを教わり、それを音にして、自らが出した音=表現に心揺さぶられる。

自分で音を作る行為を勉強している人にとっては最高の録音だと思う。

このような喜びの記録はプロの録音からは聴けない、音楽を作り深めていく瞬間の貴重な記録。

完成途上の音楽を批判することはたやすいが、この根源的な発見の驚きと喜び音として聴けるだけで、わかる人には何物にも変えがたいだろう。

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Profile

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早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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