2014年09月21日

クレンペラー&ケルン放送響/ブラームス:ドイツ・レクィエム、他


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ドイツ・レクイエムはブラームスの作曲した声楽作品の最高峰であるだけでなく、ブラームスの最高傑作と評価する識者もいるほどの偉大な作品である。

それだけに、これまで様々な指揮者によって数多くの演奏・録音が行われてきているが、クレンペラーのスタジオ盤(EMI)は、録音から既に50年が経過しているにもかかわらず、現在でもなおトップの座を争う至高の超名演であるが、本演奏もクレンペラー壮年期の貴重な録音として聴き逃すことはできない。

1956年当時のクレンペラーならではの引き締まったテンポを基調にして、曲想を精緻に真摯に、そして重厚に描き出している。

奇を衒うことは薬にしたくもなく、飾り気などまるでない演奏であり、質実剛健そのものの演奏とも言える。

それ故に、同曲の厳粛かつ壮麗さが見事なまでに描出されており、その仰ぎ見るような威容は、聴き手の居住まいを正さずにはいられないほどである。

かかる格調が高く、なおかつ堅固な造型の中にもスケールの雄渾さを兼ね備えた比類のない演奏は、巨匠クレンペラーだけに可能な圧巻の至芸と言えるところであり、その音楽は、神々しささえ感じさせるほどの崇高さを湛えているとさえ言える。

木管楽器を時として強調させているのもクレンペラーならではの表現と言えるが、それが演奏全体に独特の味わい深さを付加させている点も忘れてはならない。

この演奏においては、スムーズな響きや、しなやかなフレージングといったものは希薄であるが、決して硬直した演奏になっているわけではなく、推進力や勢いがあって、切れ味鋭いアクセントやフレージングによって、作品の世界を峻厳なる表現によって描きつくし、そしてそれが精神の輝きとなって放射しているような感すらあって、聴いていてただならぬ感動に打ちのめされてしまったところだ。

こうして聴いてみると、ケルン放送響時代のクレンペラーの演奏には、他の時期とは異なった特色があり、クレンペラーの心身の充実と、自身の持ち味であるザッハリヒさと、ケルン放送響のアンサンブルとの相性とによる相乗効果によって、この時期ならではの独特な完成度と充実感があると言える。

独唱陣も超豪華な布陣であり、清楚な美声のグリュンマー、若きプライの朗々とした迫力ある歌も実に魅力的であり、その歌唱の素晴らしさはあらためて言うまでもないところだ。

クレンペラーの確かな統率の下、ケルン放送交響楽団や同合唱団も最高のパフォーマンスを示しており、本名演に大きく貢献しているのを忘れてはならない。

また、このCDの音質は大変に秀逸で、デジタルマスタリングが行われてはいるものの、放送局のオリジナルマスターに記録されていたであろう音の雰囲気があまり損なわれておらず、音のキレや力感、硬質のカッチリした響きといったものを堪能することができる。

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早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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