2014年09月23日

ポリーニ&ベームのモーツァルト:ピアノ協奏曲第19番&第23番 [SACD]


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これは素晴らしい名演だ。

30代半ばの若き日のポリーニと、80歳を超えた巨匠ベーム、そしてウィーン・フィルとの絶妙な組み合わせであり、演奏が悪かろうはずがない。

モーツァルトの楽曲の演奏については、近年では現代楽器を使用した古楽器奏法による演奏や、ピリオド楽器を使用した演奏が主流となっており、本演奏のような重厚にしてシンフォニックな演奏は稀少なものとなってしまった。

しかしながら、モーツァルトの存命していた時代の演奏の再現に無常の喜びを感じる音楽学者は別として、芸術的な感動という観点からすれば、そうした時代考証学的な演奏が一体どれほどの価値があると言えるのだろうか。

確かに、一部の指揮者による芸術性の高い演奏は存在はしているものの、その殆どは軽妙浮薄な演奏にとどまっていると言わざるを得ない。

そうした演奏の中にあって、本演奏がむしろ時代遅れなどではなく、むしろどれほどの光彩を放っているのかは計り知れないものがあるとも言えるところだ。

演奏自体は、年功から言っても巨匠ベームのペースで行われているというのは致し方ない。

モーツァルトを心から愛し、モーツァルトの交響曲、管弦楽曲、協奏曲、オペラの様々なジャンルにおいて名演の数々を成し遂げてきたベームだけに、本演奏においても、そうしたモーツァルトの楽曲との抜群の相性の良さが発揮されていると言えるだろう。

そのアプローチは、前述のように重厚にしてシンフォニック、演奏全体の造型は例によって堅固そのものであるが、スケールは雄大。

近年主流の軽妙浮薄なモーツァルトの演奏とは一線を画する壮麗さを誇っているとさえ言える。

それでいて、モーツァルトの演奏に必要不可欠な優美さや、時としてあらわれる寂寥感を感じさせる憂いに満ちた旋律もいささかの格調を失うことなく的確に表現し得ており、まさに、かつてのモーツァルト演奏の王道を行くものであると言っても過言ではあるまい。

ポリーニも、こうしたベームの偉大な演奏にただただ従っているだけにはとどまっていない。

卓越したテクニックや研ぎ澄まされた音の美しさは相変わらずであり、そうしたポリーニのピアニズムは随所に発揮されているとも言えるところだ。

それでいて、ベームの懐の深い指揮芸術に触発されたせいか、情感の豊かさにも不足はないと言えるところであり、一部の評論家が指摘しているような無機的な演奏にはいささかも陥っていない。

加えて、ウィーン・フィルによる極上の美演が、演奏に華を添える結果となっていることを忘れてはならない。

いずれにしても、本盤の演奏は、巨匠ベームと当時上げ潮にあったポリーニ、そしてウィーン・フィルによる絶妙の組み合わせが見事に功を奏した素晴らしい名演と高く評価したい。

そして、本盤で素晴らしいのはシングルレイヤーによるSACD&SHM−CDによる極上の高音質録音である。

音質の鮮明さ、臨場感、音圧のいずれをとっても一級品の仕上がりであり、とりわけ冒頭の繊細な美しさはこの世のものとは思えないような抗し難い魅力を有した響きである。

あらためてSACDの潜在能力の高さを思い知った次第だ。

いずれにしても、素晴らしい名演をシングルレイヤーによるSACD&SHM−CDによる極上の高音質で味わうことができるのを大いに歓迎したい。

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早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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