2014年09月22日

ツィマーマン&小澤のリスト:ピアノ協奏曲第1番、第2番、死の舞踏


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これは素晴らしい名演だ。

本盤にはリストによるピアノ協奏曲第1番及び第2番、そして「死の舞踏」が収められているが、このうちピアノ協奏曲第1番及び第2番についてはリヒテルとコンドラシン&ロンドン交響楽団による超名演(1961年)や、同曲第1番についてはアルゲリッチとアバド&ロンドン交響楽団による超名演(1968年)にも肉薄する至高の超名演と高く評価したい。

本盤の演奏におけるツィマーマンのピアノは、卓越した技量をベースとしつつ、持ち前の透明感溢れる美しいタッチで、曲想を濃密に描き出していくというものだ。

したがって、リストによる楽曲だけに、とかく人間業を超えたテクニックのみが際立ってしまいがちではあるが、ツィマーマンのピアノ演奏の場合は、そうしたテクニックよりも楽曲の持つ美しさが大きくクローズアップされているのが素晴らしい。

その意味では、リストのピアノ協奏曲が含有する根源的な美しさをはじめて表現し得た演奏と言っても過言ではないと言えるところであり、こうした点に、楽曲への研究が人並み外れて熱心で、技量だけでなく、音楽の内容の深みを徹底して追求していこうとするツィマーマンのピアノ演奏の奥行きの深さの真骨頂があると言えるだろう。

「死の舞踏」では、強靭な打鍵から繊細な抒情に至るまでの桁外れの表現力の幅の広さを駆使して、同曲に散りばめられた“怒りの日”の各変奏曲を巧みに描き分けており、ピアノ協奏曲にも比肩し得るような気宇壮大な演奏に仕立て上げているのが見事である。

このようなツィマーマンの圧倒的なピアニズムをしっかりと下支えしているのが、小澤&ボストン交響楽団による名演奏である。

このツィマーマンと小澤という組み合わせは、最近ではラフマニノフのピアノ協奏曲第1番及び第2番(1997年、2000年)においても名演を聴かせてくれており、本演奏は当該演奏の10年前のものであり、その先駆けとなったものであるが、本演奏においても既にそうした両者の息の合った名コンビぶりの萌芽が存在していると言えるだろう。

小澤も、ツィマーマンのピアノ演奏に触発されたことも多分にあるとは思うが、トゥッティに向けて畳み掛けていくような強靭な気迫といい、重厚な迫力といい、まさに申し分のない名指揮ぶりである。

そして、ボストン交響楽団も、そうした小澤の名タクトの下、持ち得る実力を十二分に発揮した迫真の名演奏を展開していると言っても過言ではあるまい。

音質は従来CD盤でも十分に満足できるデジタル録音であり、ツィマーマン、そして小澤による至高の超名演を、高音質で味わうことができるのを大いに歓迎したい。

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早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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