2014年09月23日

カラヤン&ベルリン・フィルのグリーグ&シベリウス:管弦楽曲集


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本盤にはカラヤンが得意としたグリーグ、シベリウスの有名な管弦楽曲集が収められている。

このうち、グリーグのホルベルク組曲はカラヤンによる唯一の録音であるが、それ以外の楽曲については複数の録音を行っており、本盤に収められている演奏はいずれも最後の録音に相当する。

いずれも、北欧音楽を得意とした巨匠カラヤンの名に相応しい名演であるが、ホルベルク組曲を除くと、カラヤンによるベストの名演とは言い難いところだ。

カラヤン&ベルリン・フィルは、クラシック音楽界においても最高の黄金コンビと言えるが、この両者の全盛期は1960年代から1970年代にかけてというのが大方の見方だ。

この全盛期においては、ベルリン・フィルの鉄壁のアンサンブルや超絶的な技量をベースに、カラヤンが流麗なレガートを施し、重厚にして華麗ないわゆるカラヤン・サウンドを醸成していた。

そしてこのいわゆるカラヤン・サウンドを駆使した演奏は、まさにオーケストラ演奏の極致とも言うべき圧倒的な音のドラマの構築に成功していたと言えるだろう。

ところが、1982年にザビーネ・マイヤー事件が勃発すると、両者の関係には修復不可能なまでの亀裂が生じ、カラヤン&ベルリン・フィルによる演奏にもかつてのような輝きが一部を除いて殆ど見られなくなってしまった。

その意味においては、ホルベルク組曲については、この黄金コンビが最後の輝きを放った時期の演奏でもあり、ベルリン・フィルの分厚い弦楽合奏やカラヤンによる極上の美を誇るレガードが施された至高の超名演に仕上がっていると評価したい。

これに対して、グリーグの組曲「ペール・ギュント」については、両者の関係に暗雲が立てこもりつつあった時期の演奏であるが、演奏自体にはいささかもかかる問題の痕跡は見られない。

もっとも、旧盤(1971年)にあった清澄な美しさに満ち溢れた透明感がいささか失われていると言えるところであり、筆者としては旧盤の方をより上位の名演と評価したい(同曲には、ウィーン・フィルとの1961年盤もあるが、組曲からの抜粋版であり、そもそも比較の対象にはならないと考えられる)。

また、シベリウスの3曲については、両者の関係が最悪の時期でもあり、加えてカラヤン自身の健康悪化もあって、本盤の演奏では、統率力の低下が覿面にあらわれている。

したがって、カラヤンによるこれらの楽曲の演奏を聴くのであれば、透明感溢れる美しさを誇る1960年代の演奏(1964、1965、1967年(DG))または圧倒的な音のドラマを構築した1970年代の演奏(1976、1980年(EMI))の方を採るべきであるが、本演奏には晩年のカラヤンならではの味わい深さがあると言えるところであり、本盤の演奏を名演と評価するのにいささかの躊躇をするものではない。

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早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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