2014年09月24日
バーンスタイン&ベルリン・フィルのマーラー:交響曲第9番
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本盤は、バーンスタインがベルリン・フィルを指揮した唯一の演奏会の記録である。
カラヤンがバーンスタインをベルリン・フィルの指揮台に立たせなかったとの説が横行しているが、筆者は、側近が親分であるカラヤンの気持ちを勝手に斟酌して、そのように仕向けたのではないかと考えている。
比較のレベルが低すぎてカラヤンには大変申し訳ないが、我が国の某党の某幹事長のケースに酷似しているとも言える。
しかも、カラヤンはこの時期、自分のレコーディング人生の最後を飾る作品として、ベルリン・フィルとともにマーラーの「第9」の究極の演奏を目指して、真剣に取り組んでいた。
しかしながら、バーンスタインの同曲への解釈とカラヤンのそれとは北極と南極ほどに大きく異なる。
そんな完全アウェイの中に、バーンスタインは果敢に飛び込んでいった。
その結果、両者の試行錯誤がはっきりと聴き取れる演奏になった。
バーンスタインは、解説書にある表現に例えるなら、あたかも不感症の女性のように、思い通りの音を出そうとしないベルリン・フィルをうなり声まで発して相当にイライラしている様子が窺え、ベルリン・フィルもアンサンブルの乱れなどに、バーンスタインの大仰な指揮への戸惑いが見てとれる。
このような指揮者とオーケストラの真剣勝負の格闘が、本盤に聴くような大熱演を生み出したと言えるだろう。
まさに、一期一会の奇跡の熱演である。
しかしながら、本盤は、果たして繰り返して聴くに足りる演奏と言えるのかどうか。
というのも、筆者は、ベルリン・フィルはともかく、バーンスタインが本演奏に決して満足していなかったのではないかと思うからである。
本盤が発売されたのが、カラヤン没後バーンスタイン存命中ではなく、バーンスタインの没後2年も経ってからであるというのも、それを表しているのではないだろうか。
バーンスタインのマーラーの「第9」の決定盤はあくまでもコンセルトヘボウ管弦楽団との1985年盤。
本盤は大熱演であることは認めるが、バーンスタインのベストフォームとは到底言えず、あくまでも一期一会の記録として記憶にとどめておきたい。
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