2014年09月29日

マルティノン&シカゴ響のラヴェル:管弦楽曲集


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巨匠マルティノンがシカゴ交響楽団とRCAに遺した、極上のラヴェル管弦楽曲集の復活だ。

マルティノンのアルバムは、フランスのオーケストラを指揮したものが多く取り上げられているに違いないし、シカゴ交響楽団とコンビを組んでいた時代の彼は、必ずしも実力に見合うだけの評価を得ることができず、不遇だったとも伝えられている。

事実マルティノンは、シカゴ交響楽団の音楽監督時代を思い出したくない日々だったと回想したと伝えられており、シカゴ交響楽団にとってもマルティノンの時代をライナー時代とショルティ時代に挟まれた低迷期と位置づけているところだ。

このようにお互いに不幸な関係にあったとされている両者ではあるが、この両者が成し遂げた数少ない名演の1つが、本盤に収められたラヴェルの管弦楽曲集であると言えるのではないだろうか。

筆者にとっては、このアルバムは繰り返し聴いてきた思い出深い1枚であり、マルティノンはアメリカのオーケストラからラテン的な輝きを帯びた色彩と余韻のある音色を、巧みに導き出している。

マルティノンは生前のラヴェルと親交があっただけに、ラヴェルの楽曲を十八番としており、特に管弦楽曲集としては、パリ管弦楽団を指揮した演奏(1974年)が名演として誉れ高いが、本演奏も決して遜色がない名演に仕上がっていると高く評価したい。

マルティノンの演奏はオーケストラのテクスチュアの透明さに特徴があり、繊細なリズムやフレージングの感覚によって際立っていた。

なかでも、自家薬篭中とも言えるフランス近代音楽の演奏においては、現代のインターナショナルになりすぎた指揮者では及びもつかない独特のニュアンスがあり、マルティノンの演奏を不滅のものとしている。

本演奏においてもマルティノンは、ラヴェルによる光彩陸離たる華麗なオーケストレーションを精緻に表現しているが、どこをとっても気品あふれる情感に満ち溢れており、随所に聴くことが可能なフランス風のエスプリ漂う瀟洒な味わいは、これぞフランス音楽を鑑賞する醍醐味があると言えるだろう。

ミュンシュ&ボストン交響楽団の解釈とは対照的な、クールでしかもデリケートな音色感と、シカゴ交響楽団の底力のある名技性が一体となった名演である。

マルティノンの指揮の下、シカゴ交響楽団も卓越した技量を披露していると言えるところであり、とりわけ管楽器のブリリアントな響きと名技にはほれぼれさせられるほどだ。

それにつけても、もう少し長く活躍してほしかった指揮者である。

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早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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