2014年10月25日

グールド&カラヤンのベートーヴェン:ピアノ協奏曲第3番、シベリウス:交響曲第5番


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グールドとカラヤンという異色の組み合わせが話題を呼んだ、1957年のベルリンでの記念碑的なコンサートにおける歴史的な演奏の登場だ。

本盤には、当日のコンサートの演目のうち、ヒンデミットの交響曲「画家マチス」を除いたベートーヴェンのピアノ協奏曲第3番とシベリウスの交響曲第5番が収められている。

本演奏はモノラル録音であり、音質も必ずしも鮮明とは言い難いが、本国内盤の登場は、その演奏の質の高さや歴史的な価値に鑑みて、大いに歓迎すべきであると考える。

まずは、ベートーヴェンのピアノ協奏曲第3番であるが、これが意外にもまともな演奏であるというのに大変驚かされた。

聴く前は、グールドが何か聴き手を驚かすような奇手を講ずるのではないかと思ったのだが、そのアプローチは実にオーソドックスそのもの。

バーンスタインを辟易させるような超スローテンポで演奏したピアノ協奏曲第1番とは別人のような正統的なテンポで、堂々たるピアニズムを披露している。

帝王への道を駆け上がりつつあったカラヤンへの遠慮や崇敬もあったのかもしれないが、いずれにしても、重厚で立派な名演であることは疑いようがない。

ベルリン・フィルも、オーケストラの音色などにいまだフルトヴェングラー時代の残滓があった時期でもあり、壮年期のカラヤンによる気迫溢れる指揮とその圧倒的な統率の下、ベルリン・フィルが醸し出すドイツ風の重心の低い音色によって、グールドのピアノをしっかりと下支えしているのが素晴らしい。

他方、シベリウスの第5番は、本盤以外にも4度にわたってスタジオ録音しているカラヤンの十八番とも言うべき交響曲だけに、本演奏は至高の超名演と高く評価したい。

本演奏は、他のスタジオ録音とは異なり、ライヴでこそその真価を発揮すると言われる壮年期のカラヤンならではの、生命力溢れる力強さが持ち味であると言えるところであり、それでいて、北欧の大自然を彷彿とさせる繊細な抒情美においてもいささかの不足もない。

筆者としては、これまでカラヤンによるシベリウスの第5番の演奏の中では、1965年盤(DG)を随一の名演と高く評価してきたが、今後は、本演奏も、それとほぼ同格の名演と位置付けたいと考える。

本盤で惜しいのは、前述のように、録音が鮮明とは言えない点であるが、1957年という、今から約55年も前のライヴ録音であるということに鑑みれば、致し方がないのかもしれない。

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早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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