2014年10月02日

ヴァント&ベルリン・フィルのシューベルト:「未完成」&「ザ・グレイト」


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ヴァントが、その最晩年にベルリン・フィルとともに成し遂げたブルックナーの一連の交響曲の演奏は、歴史的とも言うべき至高の超名演であった。

この黄金コンビによるブルックナー以外の作曲家による楽曲の演奏で、唯一録音が遺されているのが、本盤に収められたシューベルトの「未完成」と「ザ・グレイト」である。

いずれも、ブルックナーの各交響曲と同様に、素晴らしい至高の名演と高く評価したい。

なお、ヴァントは、ミュンヘン・フィルとともに、これら両曲の演奏を同時期に行っているが、オーケストラの音色に若干の違いがある以外は同格の名演と言えるところであり、両演奏の比較は聴き手の好みの問題と言えるのかもしれない。

シューベルトの交響曲、とりわけ「未完成」と「ザ・グレイト」は演奏が難しい交響曲である。

その理由はいくつか考えられるが、シューベルトの音楽をどう捉えるのかについて未だに正解がない、確立した見解が存在しないということに起因しているのではないだろうか。

いずれにしても、シューベルトの「未完成」と「ザ・グレイト」は懐が深い交響曲と言えるのは間違いがないところだ。

私見であるが、これまでの様々な演奏に鑑みて、シューベルトをどう捉えるのかについての見解をおおざっぱに分けると、.Εーンの抒情的作曲家、↓,鵬辰─⊃誉犬亮簽豐兇篝篷彰兇鯢曾个靴紳膾邏焚函↓ベートーヴェンの後継者、ぅ屮襯奪ナーの先駆者の4つに分類できるのではないかと考えている(いくつかの要素を兼ね備えた演奏が存在しているということは言うまでもない)。

「未完成」や「ザ・グレイト」の演奏に限ってみると、,梁緝修魯錺襯拭次コロンビア交響楽団盤(1958年)、△梁緝修蓮◆嵬ご粟」しか録音がないが、ムラヴィンスキー&レニングラード・フィル盤(1978年(あるいは来日時の1977年盤))、の代表は、「ザ・グレイト」において顕著であるがフルトヴェングラー&ベルリン・フィル盤(1942年)であると考えており、い乏催するのが、まさしく本盤に収められたヴァント&ベルリン・フィル盤であると考える。

ヴァントのこれら両曲へのアプローチは、ブルックナーの交響曲に対して行ったのと基本的に同様のものだ。

眼光紙背に徹した厳格なスコアリーディングに基づく緻密で凝縮化された表現には凄みがあり、全体の造型はきわめて堅固なものだ。

したがって、ウィーン風の抒情的な表現にはいささか欠けるきらいがあり、前述のワルター盤の持つ美しさは望むべくもないが、シューベルトの音楽の心底にある人生の寂寥感や絶望感の描出にはいささかの不足はないと言えるのではないか。

特に、「未完成」の第1主題は、ワインガルトナーが地下の底からのようにと評したが、ヴァントの演奏は、特に中間部においてこの主題を低弦を軋むように演奏させ、シューベルトの心底にある寂寥感や絶望感をより一層強調させるかのような凄みのある表現をしているのが素晴らしい。

ヴァントは、2000年の来日時のコンサートにおいて「未完成」を演奏しており、とりわけ当該箇所の表現には心胆寒からしめるものが感じられたが、本盤においても、それとほぼ同等の表現を聴くことができるのはうれしい限りだ。

録音は、ブルックナーの一連の演奏とは異なり、いまだSACD化されていないが、音質はなかなかに鮮明であり、更にSHM−CD化によって若干の音質の向上効果が見られるのも大いに歓迎したい。

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classicalmusic

早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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