2014年10月02日

ブロムシュテット&シュターツカペレ・ドレスデンのモーツァルト:ディヴェルティメント集、アダージョとフーガ


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素晴らしい名演だ。

ブロムシュテットによる本演奏に、何か特別な個性があるわけではない。

ブロムシュテットは、ディヴェルティメントにおいては、若干速めの軽快なインテンポで、アダージョとフーガにおいては、地に足がついたゆったりした荘重なインテンポで、愚直に楽想を進めていくのみである。

ブロムシュテットの解釈は総じて中庸で、作為は一切排し、極めて自然に音楽を流している。

ブロムシュテットは、自己の解釈をひけらかすようなことは一切せずに、楽曲の魅力をダイレクトに聴き手に伝えることのみに腐心しているようにも感じられる。

上質なオーケストラのアンサンブルと響きを最大限生かして、バランスよく爽快に聴かせる。

特に高弦群の清澄で古雅な響きは傾聴に値する。

これは、作品にのみ語らせる演奏ということができるだろう。

それでも、演奏全体から漂ってくる気品と格調の高さは、ブロムシュテットの指揮による力も多分に大きいものと考えられる。

いずれにしても、モーツァルトのディヴェルティメントの魅力を安心して味わうことができるという意味においては、トップの座を争う名演と言っても過言ではないと思われる。

こうした作品のみに語らせるアプローチは、時として没個性的で、無味乾燥な演奏に陥ってしまう危険性がないとは言えないが、シュターツカペレ・ドレスデンによるいぶし銀とも評すべき重厚な音色が、演奏内容に味わい深さと潤いを与えている点も見過ごしてはならない。

近年のブロムシュテットの円熟ぶりからすると今一歩の感はなきにしもあらずだが、伝統的なモーツァルト演奏としての価値は充分にある。

残響の豊かなドレスデンのルカ教会における高音質録音もきわめて優秀であり、ハイパー・リマスタリングによって、さらに、音場が拡がるとともに、音質により一層の鮮明さを増した点も高く評価したい。

ちなみにフィギュアスケート選手、今井遥の2012年度のフリープログラムの冒頭がK.137の第2楽章である。

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早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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