2014年10月06日

ライナー&シカゴ響のベートーヴェン:交響曲第7番 [XRCD]


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本盤の売りは、全盛期のシカゴ交響楽団の超絶的な技量とXRCDによる極上の高音質録音である。

一糸乱れぬ鉄壁のアンサンブル、ブリリアントな金管楽器の朗々たる響き、高弦の美しい響き、迫力満点のティンパニの轟きなど、ライナー時代のシカゴ交響楽団がいかにスーパーオーケストラであったのかがわかるような演奏内容になっている。

シカゴ交響楽団と言えば、ショルティの時代におけるスーパー軍団ぶりが記憶に新しいところだ。

このコンビによる来日時のマーラーの交響曲第5番を聴いたことがあるが、実演であるにもかかわらず一切のミスをしない鉄壁のアンサンブルや、各管楽セクションの超絶的な技量、そして金管楽器の大音量に度肝を抜かれたものであった。

ハーセスやクレヴェンジャーなどのスタープレイヤーが揃っていたこともあるが、それ以上にショルティの薫陶にも多大なものがあったと言えるのではないだろうか。

ただ、ショルティがかかるスーパー軍団を一から作り上げたというわけでなく、シカゴ交響楽団に既にそのような素地が出来上がっていたと言うべきであろう。

そして、その素地を作っていたのは、紛れもなくライナーであると考えられる。

それは、本盤に収められたベートーヴェンの交響曲第7番の演奏を聴くとよくわかるはずだ。

オーケストラのアンサンブルの鉄壁さは言うに及ばず、金管楽器や木管楽器の力量も卓越したものがあり、ここぞという時の迫力(とりわけ第4楽章)も圧倒的である。

もっとも、ショルティ時代よりも演奏全体に艶やかさがあると言えるところであり、音楽性という意味では先輩ライナーの方に一日の長があると言えるだろう。

こうしたライナー指揮によるシカゴ交響楽団による素晴らしい演奏を完璧に捉えきったXRCDによる極上の高音質録音も素晴らしい。

特に弦楽合奏の艶やかな響きには抗し難い魅力があり、とても今から半世紀も前の録音とは思えないような鮮明さを誇っている。

同じアメリカのオーケストラにおいても、オーマンディ指揮のフィラデルフィア管弦楽団はシルキーな音色を特徴としていたし、セル指揮のクリーヴランド管弦楽団は、鉄壁のアンサンブルをベースとしたセルの楽器とも称される室内楽的で精緻な音色を誇っていた。

ライナー&シカゴ交響楽団も、本XRCD盤を聴くと、それらのオーケストラにも対抗し得るだけの独特の艶やかな音色を持っていたことがよく理解できるところであり、あらためて、XRCDの潜在能力の高さを思い知った次第だ。

以上は、本XRCD盤の長所について指摘したが、演奏自体は必ずしも深みのあるものではなく、その意味ではスコアに記された音符の表層を取り繕っただけの速めのテンポによる薄味ないささか外面的な演奏と酷評する聴き手も多いと思われる。

もっとも、筆者としては、外面的な効果がより一層際立った第5番よりはかかるアプローチも比較的成功しているのではないかと考えており、前述のようなXRCDによる極上の高音質を加味すれば、本盤全体としては文句のつけようがない水準に達していると高く評価したいと考える。

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早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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