2014年12月11日

ヴァント&北ドイツ放送響のブルックナー:交響曲第3番[SACD]


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ヴァントが1990年代後半にベルリン・フィルやミュンヘン・フィル、そして手兵北ドイツ放送交響楽団を指揮して行ったブルックナーの交響曲の演奏は、いずれも至高の超名演である。

同時期に朝比奈が成し遂げた数々の名演と並んで、今後ともおそらくは半永久的にブルックナーの演奏史上最高の超名演の地位を保持し続けていくものと考えられる。

もっとも、そうした地位が保全されているのは、ブルックナーの交響曲のすべてにおいてではないことに留意しておく必要がある。

要は、ヴァントの場合は「第4」以降の交響曲に限られるということである。

本盤に収められた「第3」は、ヴァントによる「第3」の最後の録音である。

ヴァントは、ベルリン・フィルと「第8」をライヴ録音した後、惜しくも鬼籍に入ったが、存命であれば「第6」のライヴ録音が予定されていたと聞いている。

そして、おそらくはその次に「第3」のライヴ録音を想定していた可能性が高い。

仮に、最晩年における「第3」のライヴ録音が実現していれば、決定的な超名演になったと思われるが、これは無いものねだりと言うべきであろう。

本演奏は1992年のライヴ録音であり、オーケストラは手兵北ドイツ放送交響楽団。

ヴァントが、前述のような至高の超名演を成し遂げるようになる直前の時期のものだ。

それでも、筆者としては、朝比奈&大阪フィルによる名演(1993年)に次ぐ名演と評価したいと考える。

そして、往年の名演として定評のあるベーム&ウィーン・フィルによる名演(1970年)よりも上位に置きたいとも考えている。

本演奏においても、ヴァントは例によって厳格なスコアリーディングの下、峻厳に楽想を進めていく。

造型もきわめて堅固であり、金管楽器などを最強奏させているのもいつもどおりであるが、本演奏においてもいささかも無機的になることはない。

ただ、音楽全体を徹底して凝縮化させているので、スケールはいささか小ぶりと言わざるを得ない。

このあたりが、1990年代後半以降のスケールも雄渾なヴァントとは異なる点であろう。

しかしながら、スケールがやや小さいという点が気にならなければ、演奏自体は文句のつけようがない至高の名演と評価したい。

また、さらに素晴らしいのはマルチチャンネル付きのSACDによる極上の高音質録音である。

ヴァントによる厳格で緻密な解釈に基づいた名演の魅力を味わうためにはSACDによる高音質録音は必要不可欠であると考えられるところであり、本名演の価値をさらに高めることに大きく貢献している点を忘れてはならない。

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classicalmusic

早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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