2014年10月10日

ハスキル&マルケヴィチのモーツァルト:ピアノ協奏曲第20&24番


この記事をお読みになる前に、人気ブログランキングへワンクリックお願いします。



この2曲のこれだけ神々しい演奏は他に類例を見ない、まさに決定的名盤である。

この演奏にはいわゆる美しいモーツァルトの姿は微塵もなく、まるでモーツァルトの心の内面を抉り出すような、曝け出したしたかのような強い演奏である。

ハスキルはモーツァルト弾きとして通常は知的な演奏を得意としていたが、この録音は明らかに違う。

ハスキルのピアノは、緩徐楽章における人生の諦観とともに、特に、両端楽章にはどこか切羽詰まった気迫のようなものが感じられるのが実に興味深い。

こうした感情の露出が大きい個性の強い表現、芯の強い表現は、他にはギーゼキングとカラヤンが共演したモノラル盤以外に殆ど類例がない。

両曲とも最初の前奏から少々ビックリするような悲劇的表現で曲は開始されるが、ビアノが始まるとさらに内面深く落ち込んでゆく。

しかし聴き込んでいくとそこにモーツァルトの真の姿を見るような思いが湧き出てくるのである。

モーツァルトがハスキルに乗り移り,彼女の指を使って自作自演をしているようでもあり、特にハ短調協奏曲は突然ぶっきらぼうに終演して、悲劇の中に光明を見るような演奏になっている。

本演奏は、ハスキルの死の1か月前の録音であるが、モーツァルトの数少ない短調のピアノ協奏曲を2曲セットにしたカップリングにも、何か運命めいたものを感じさせる。

ハスキルは、自分が譜面から読み取った音楽を、完全に自分の方法で、淡々と、朴訥に、弾いているのだ。

そして、淡々と誠実に弾かれているパッセージのところどころから、ハスキルの決して幸福ではなかった人生から来る孤高の悲しみのようなものが伝わってくる。

情感の豊かさも相当なものがあるが、決して哀嘆調には陥らず、高踏的なピアニズムと気品を失っていない点も素晴らしい。

まさに、ハスキルの貴重な遺言とも言える至高・至純の境地に達した名演と高く評価したい。

マルケヴィチの指揮は、実に堂の入った巨匠風の指揮ぶりであり、当時の手兵であるコンセール・ラムルー管弦楽団を見事に統率して、最善のサポートを行っている。

ところで、クラシック音楽情報ならこちらがオススメです。
人気ブログランキング



フルトヴェングラーのCDなら、 フルトヴェングラー鑑賞室



classicalmusic at 00:39コメント(0)トラックバック(0)マルケヴィチ | ハスキル 

トラックバックURL

コメントする

名前
 
  絵文字
 
 
メルマガ登録・解除
 

Profile

classicalmusic

早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

Categories
Archives
Recent Comments
記事検索
  • ライブドアブログ