2014年10月13日

マタチッチ&N響のブラームス:交響曲第1番(1967年ライヴ)


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凄い演奏だ。

冒頭から大地を揺るがすようなティンパニとNHK交響楽団ならではの重厚なサウンドに心奪われる。

ブラームスの「第1」は、NHK交響楽団にとっては得意のレパートリーとも言うべき楽曲である。

最近でこそ、デュトワやアシュケナージ、プレヴィンなどを音楽監督に迎え、フランス系やロシア系の音楽も十八番にしつつあるNHK交響楽団であるが、それ以前は、名誉指揮者であるサヴァリッシュやスウィトナー、ホルスト・シュタインなどのドイツ系の指揮者が幅を利かせ、ドイツ系の音楽を中心に演奏していたのである。

さらに前の時代のカイルベルトやシュヒターなども含め、ブラームスの「第1」は、それこそ自己薬籠中の楽曲と言っても過言ではなかったと考えられる。

実際に、サヴァリッシュなどによる同曲のCDも発売されているが、本マタチッチ盤はそもそも次元が異なる名演と高く評価したい。

ブラームスの「第1」としては全体的に速めのテンポで進められるが、音楽全体のスケールは極めて雄大である。

激しい所はより凄まじく、美しい所はより切々と、この強力な対比が恐ろしく大スケール。

マタチッチは、必ずしもインテンポには固執せずに、随所でテンポを変化させており、特に終楽章のアルペンホルンが登場する直前など、いささか芝居がかったような大見得を切る表現なども散見されるが、音楽全体の造型がいささかも弛緩しないのは、巨匠ならではの圧巻の至芸と言える。

NHK交響楽団も力の限りを振り絞って力奏しており、その圧倒的な生命力は切れば血が飛び出てくるほどの凄まじさだ。

当時は、力量はあっても事なかれ主義的な演奏をすることが多いと揶揄されていたNHK交響楽団であるが、本盤では、こうした力強い生命力といい、畳み掛けていくような集中力といい、実力以上のものを出し切っているような印象さえ受ける。

したがって、NHK交響楽団の渾身の演奏ぶりを褒めるべきであるが、それ以上に、NHK交響楽団にこれだけの鬼気迫る演奏をさせた最盛期の巨匠マタチッチのカリスマ性を高く評価すべきであると考える。

いずれにしても、本盤のブラームスの「第1」は、NHK交響楽団の同曲演奏史上においても、特筆すべき至高の名演と高く評価したい。

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早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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