2022年01月18日
高貴さと温かみをあわせもつ音楽、ブロムシュテットがステンハンマルをライヴ録音!
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ステンハンマルは、同時代のシベリウスやニールセンと並ぶスウェーデンの大作曲家であるにもかかわらず、その作品は殆ど知られていないという嘆かわしい状況にある。
ステンハンマルは、管弦楽曲や協奏曲、室内楽曲、ピアノ曲、合唱曲など、多岐にわたるジャンルにおいて数々の名作を遺しているが、その代表作と言えば、やはり交響曲第2番ということになるのではないだろうか(セレナードを掲げる人もいるかもしれない)。
交響曲第1番は、ブルックナーなどのドイツ・ロマン派の影響を多分に受けた作品であり、ステンハンマルの個性が必ずしも発揮されているとは言い難いし、交響曲第3番は断片しか遺されていない(ピアノ協奏曲に転用されている)ことを考慮に入れると、ステンハンマルの個性が発揮された名作は、やはりこの交響曲第2番ということになるのは論を待たないところだ。
同曲のこれまでの録音としては、既に廃盤になっているものも含めると、マン(1959年)、ヴェステルベリ(1978年)、ネーメ・ヤルヴィによる2つの録音(1983年及び1993年)、スンドクヴィスト(1996年)、パーヴォ・ヤルヴィ(1999年)、ニール・トムソン(2009年)の7種である。
このうち、最も優れた名演として評価が高いのはヴェステルベリ盤であるが、これは今では廃盤で入手難である。
これに次ぐのが、録音がいささか鮮明ではないがマン盤であり、他の演奏も決して悪い演奏ではなく、それぞれ一聴の価値がある演奏であり、この知られざる傑作を演奏する指揮者の見識とレベルの高さのほどを窺い知ることが可能だ。
筆者としては、このような知られざる傑作こそは、有名指揮者がもっと積極的に演奏して、それこそ国内盤で発売されることを大いに期待するものであった。
ヘルベルト・ブロムシュテット(1927-)は、ブルックナーやベートーヴェンの作品とともに、シベリウス、ニールセン、グリーグなどの北欧の作品も数多く手がけてきた。
本盤は、同曲の待望の新録音であり、まずは、このような知られざる傑作の録音を試みたという姿勢を高く評価したい。
筆者は未聴であるが、かつて知人から、ブロムシュテットがNHK交響楽団を指揮して同曲を演奏して大変感動したと聞いている。
ブロムシュテットは、ステンハンマルと同郷のスウェーデン人であり、シベリウスやニールセンの交響曲全集を録音した実績もあり、いずれも名演と評価できる。
既にかなりの高齢であったが、ブロムシュテットによる同曲の録音を大いに期待していただけに長年の渇きを癒された思いだ。
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