2014年10月20日

アルバン・ベルクSQのブラームス:弦楽四重奏曲全集


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数年前に惜しくも解散したアルバン・ベルク弦楽四重奏団。

この四重奏団が遺してきた数々の名演を念頭に置いた時、音楽界においてこれほど残念なことはなかったと考える。

最近では、カルミナ弦楽四重奏団とかアルカント弦楽四重奏団など、切れ味鋭い、現代的センス溢れる名演を繰り広げる楽団が、全盛期を迎えつつあるとも言えるが、そうした現代的なアプローチの元祖とも言うべき存在は、このアルバン・ベルク四重奏団にある。

そして、現代隆盛の四重奏団にないものが、このアルバン・ベルク四重奏団にはある。

それは、ウィーン出身の音楽家で構成されていることを強みにした、美しい音色であろう。

こうした「美しさ」という強みによって、各楽曲へのアプローチに潤いを与えていることを見過ごしてはならない。

それ故に、どの曲を演奏しても、前衛的なアプローチをしつつも、温かみのある血も涙もある演奏に仕上がっていることに繋がっているものと言える。

本盤のブラームスの弦楽四重奏曲もそうしたアルバン・ベルク四重奏団の長所が見事にプラスに働いた名演だ。

鉄壁とも言うべきアンサンブルを駆使しつつ、楽想を抉り出の描出にいささかの不足もない。

巷間評される「ウィーンの伝統にモダンな機能美を加えたその演奏スタイルは、ウィーン古典派と新ウィーン楽派をつなぐ結節点としてのブラームスの一面を見事につかみだした」という評価は、本名演の評価として誠に当を得た表現と言える。

筆者としては、ブラームスの弦楽四重奏曲は地味な印象が強くて聴き通すことが困難であったが、アルバン・ベルク四重奏団の厳しさと華麗さが加味されて非常に良い効果を生んでおり、はじめてブラームスの四重奏が聴き通せたと言っても過言ではない。

ブラームスの弦楽四重奏曲は、交響曲と比較して人気がないようであるが、筆者はアルバン・ベルク四重奏団によって、ブラームスという作曲家のロマンティックな側面が、交響曲より強く出されていて、好きになった。

その後、何度も聴き入り、ブラームスの室内楽の良さがじわじわと染み通るかのようである。

ただし、アルバン・ベルク四重奏団のブラームスは彼ら独特の鋭い感性に貫かれた演奏である為に、ある意味で聴く人を選んでしまうかもしれない。

しかもここに収められた3曲は作曲家自身が推敲に推敲を重ねた結果の、ひたすら個人的な思索の所産に他ならず、多くの聴衆を想定した音楽ではないからだ。

それはベートーヴェンの後期の弦楽四重奏曲に例えることができるだろう。

人によってはいたたまれないくらい厳しい曲想だろうし、また好む人にとっては逆に限りなく深みのある室内楽のエッセンスが堪能できるといった複雑な側面は、聴く人におもねることの無いブラームスの気質を窺わせている。

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早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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