2014年10月20日

ズヴェーデン&オランダ放送フィルのブルックナー:交響曲第8番[SACD]


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ズヴェーデンは、エクストン・レーベルに対して、オランダ放送フィルとともにブルックナーの交響曲の録音を行っており、既に第2番、第4番、第5番、第7番、第9番の5曲の録音を終了している。

第2番(2007年)以降の録音が途絶えていたところであり、既に発売された各交響曲の演奏のいずれもが水準の高い名演であることに鑑みれば、このコンビでブルックナーの交響曲全集を完成して欲しいと思っていた聴き手は筆者だけではないとも思われるが、今般、エクストン・レーベルではないが、ついに、続編である第8番(2011年録音)が登場したのは実に慶賀に堪えないところだ。

ズヴェーデンは1960年生まれで未だ50歳になったばかりでもあり、是非とも今後残る交響曲の録音を行っていただき、全集を完成していただくことをこの場を借りて強く要望しておきたいと考える。

ズヴェーデンのブルックナーの交響曲へのアプローチは、これまでに録音された交響曲の演奏でもそうであったが、ヴァントや朝比奈などの数々の名演によって通説となりつつある、いわゆるインテンポを基調とする演奏スタイルを原則として採っている。

もっとも、インテンポによる演奏を基調とはしているが、随所においてテンポを微妙に変化させることによって、演奏に効果的なスパイスを利かせていることも付記しておく必要がある。

そして、各旋律の歌わせ方には、ロマンティシズムの香りが漂っており、加えて、細部にわたって独特の表情づけを行うなど、単にスコアに記された音符の表層だけを取り繕っただけの薄味な演奏にはいささかも陥っておらず、常に含蓄のある豊かな情感に満ち溢れた演奏を行っているのが素晴らしい。

したがって、演奏全体としては、いわゆるブルックナーらしさをいささかも失っておらず、とりわけ第3楽章の清澄な美しさなど、抗し難い魅力に満ち溢れていると評価したい。

本演奏の当時のズヴェーデンは未だ50歳であるが、指揮者としては若手であるにもかかわらず、これだけの風格のある、そして彫りの深い演奏を成し遂げたということ自体が驚異的であり、ズヴェーデンという指揮者の類稀なる才能を感じるとともに、今後さらに大化けしていくことも十分に考えられるところだ。

いずれにしても、本盤に収められた交響曲第8番の演奏は、第2番の録音以来4年が経過しているにもかかわらず、ズヴェーデンがブルックナー指揮者として健在であることを世に知らしめるとともに、残された他の交響曲(第1番、第3番、第6番)の演奏にも大いに期待を抱かせる素晴らしい名演と高く評価したい。

また、本盤で素晴らしいのは、マルチチャンネル付きのSACDによる極上の高音質録音である。

最近では、エクストン・レーベルを筆頭にして、SACD盤を積極的に発売しても、マルチチャンネルから撤退するケースが多いようであるが、本盤のような、各楽器セクションの配置が明瞭にわかるような臨場感溢れる鮮明な高音質を聴いていると、是非ともマルチチャンネル付きのSACDを復活させていただきたいと切に願わざるを得ないところだ。

そして、かかるマルチチャンネル付きのSACDによる圧倒的な高音質録音が、本演奏の価値を高めるのに大きく貢献しているのも忘れてはならない。

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早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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