2014年10月21日
C・デイヴィス&ロンドン響のニールセン:交響曲第4、5番
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素晴らしい名演だ。
デイヴィスは、シベリウスの交響曲全集を3度も完成させているのに、ニールセンの交響曲の録音はこれまでしてこなかった。
その意味では、満を持しての挑戦ということになるのであろうが、長年の渇きを癒すのに十分過ぎるくらいの超名演に仕上がっている。
第4番は、物凄い快速のテンポだ。
同曲には、カラヤンによる速めのテンポによる名演があるが、あのカラヤンでさえ全曲に約37分を要しているのだから、この演奏の約31分というのが尋常ならざる速さということがわかろうというものである。
おそらくは、史上最速の第4番ということになるのではないか。
とても、老匠の指揮とは思えないような生命力に満ち溢れており、この交響曲の副題でもある「不滅」の名に恥じることのない演奏ということができる。
それでいて、第3部の美しさも出色のものがあり、必ずしも勢いに任せた一本調子の演奏には陥っていない。
第5番は、間違いなく、同曲演奏史上最高の名演と言える。
筆者は、このニールセンの最高傑作を初めて聴いたのは、今から約15年前になるが、ようやく理想の名演に辿り着いたことに深い感慨を覚える。
テンポは、第4番とは一転して、ゆったりとした堂々たるものだ。
それでいて、同じく超スローテンポのクーベリックの演奏のようなおどろおどろしさはいささかもなく、常に、こうしたゆったりめのテンポ設定に必然性が感じられるのが良い。
冒頭の高弦によるトレモロからして、他の演奏には感じられないような内容の濃さを感じさせる。
その後の緩急自在のテンポ設定、打楽器の巧みな鳴らし方、ダイナミックレンジの効果的な活用など、どれをとっても、これ以上は求め得ないような至高・至純のレベルに仕上がっており、第5番が、ニールセンの最高傑作であることを聴き手に伝えるのに十分な超名演に仕上がっている。
録音も素晴らしい。
マルチチャンネル付きのSACDは、ニールセンの打楽器や金管楽器、木管楽器を巧みに駆使したオーケストレーションの再現には最適であり、各楽器の位置関係が明瞭にわかるような鮮明な解像度には、大変驚かされた。
まさに、演奏、録音ともに超優秀な至高の名CDと高く評価したい。
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