2014年10月23日

フルネ&オランダ放送フィルのデュカス:管弦楽作品集


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本盤には、デュカスの極めて有名な交響詩「魔法使いの弟子」をはじめとして、交響曲ハ長調、そしてバレエ音楽「ラ・ペリ」が収められている。

デュカスは、自作に対して極めて厳しい姿勢で臨んだところであり、後世に遺す必要がないと考えた作品はすべて破棄したことから、その作品の数は著しく少ないと言わざるを得ない。

また、交響詩「魔法使いの弟子」は誰でも知っている超有名曲であるが、バレエ音楽「ラ・ペリ」についてはファンファーレのみが広く知られており、交響曲ハ長調に至っては知る人ぞ知る存在に甘んじている。

それだけに、交響詩「魔法使いの弟子」を除くと録音の点数はわずかであり、その意味でも、本盤のようにデュカスの名作がまとめておさめられていること、そして巨匠フルネが演奏していることなどを考慮すれば、デュカスの作品を広く認知させるという意味においても意義の大きい名CDと言えるだろう。

そして、演奏内容も実に素晴らしい。

フルネの演奏の最大の特色は一音一音をいささかも蔑ろにしない精緻さであり、それは、本盤に収められた各楽曲のいずれの演奏においても健在である。

もっとも、フルネの場合は、単にスコアに記された音符の表層だけをなぞっただけの杓子定規な演奏を行っているわけではないことに留意しておく必要がある。

精緻に描き出している各フレーズをよく聴くと、独特の細やかなニュアンスが込められていると言えるところであり、演奏の密度の高さには尋常ならざるものがある。

そして、各フレーズの端々からは豊かな情感が滲み出しているとともに、演奏の随所にはフランス風のエスプリが漂うなど、その洒落た味わいの情感豊かな演奏には抗し難い魅力に満ち溢れている。

交響曲ハ長調においては、演奏全体の堅固な造形美にもいささかも欠けるところはなく、交響詩「魔法使いの弟子」やバレエ音楽「ラ・ペリ」における各場面の描き分けの巧みさは、巨匠フルネならではの老獪な至芸と言えるところであり、その語り口の巧さは見事という他はない。

そして、いずれの楽曲においても、トゥッティにおける強靭な迫力においては、とても当時80歳代後半の老巨匠とは思えないような圧倒的な生命力が漲っている。

また、これらの演奏において素晴らしいのは、オランダ放送フィルの北ヨーロッパのオーケストラならではのいぶし銀の独特の音色である。

かかるオランダ放送フィルのいぶし銀の音色が、演奏全体に独特の落ち着きと潤いを付加させているのを忘れてはならない。

いずれにしても、本盤に収められた演奏は、デュカスによるそれぞれの楽曲の代表的な演奏とも言える圧倒的な超名演と高く評価したい。

音質は、1990〜1992年のスタジオ録音であり、十分に満足できる音質である。

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classicalmusic

早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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