2014年10月28日

バルビローリ&ハレ管のシベリウス:交響曲第3番&第6番[SACD]


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本盤にはバルビローリ&ハレ管弦楽団が1966〜1970年にかけてスタジオ録音したシベリウスの交響曲全集からの抜粋である第3番及び第6番が収められている。

多くの英国人指揮者がそうであったように、バルビローリもシベリウスを深く愛し、その作品を数多く演奏・録音してきているが、筆者としては、この全集に含まれる演奏こそがバルビローリのシベリウス演奏のベストフォームではないかと考えている。

バルビローリのシベリウスの特色を一言で言えば、ヒューマニティ溢れる温かさということになるのではないか。

本盤に収められた両曲の演奏においても、人間的な温かさに満ち溢れているが、それでいていささかも感傷的に流されることはなく、常に高踏的な美しさを湛えている点が素晴らしい。

そして、その美しさは、あたかも北欧の大自然を彷彿とさせるような清澄さを湛えている。

このように、バルビローリのシベリウスは人間的な温もりと清澄な美しさが融合した演奏であり、他の指揮者による演奏とは一味もふた味も異なっているが、これぞシベリウスの理想的な演奏であるという有無を言わせぬ説得力を有している名演奏と言えるだろう。

本盤に収められた交響曲第3番及び第6番の演奏においては、いずれもそうしたバルビローリによるシベリウス演奏の美質が十二分に生かされており、おそらくはそれぞれの交響曲の様々な演奏の中でもトップクラスの名演であると高く評価したい。

両演奏の特徴を記すと、先ず、交響曲第3番については、第1楽章は誰よりも遅いテンポで開始されるが、その味わい深さは絶品だ。

第2楽章の北欧のいてつく冬を思わせるような音楽にも独特の温かさがあり、終楽章の終結部に向けての盛り上がりも申し分のない迫力を誇っている。

次に、交響曲第6番については、演奏の持つ清澄な美しさには出色のものがあり、その情感たっぷりの旋律の歌い方は、まさに「歌う英国紳士」の真骨頂とも言える至高・至純の美しさを誇っていると評価したい。

ハレ管弦楽団も、部分的には弦楽合奏のアンサンブルなどにおいて若干の問題がないわけではないが、これだけの名演奏を繰り広げたことを考えれば文句は言えまい。

音質については、これまでリマスタリングなどが行われたものの、HQCD化などは全く行われず、やや不満な状況にあった。

そのような中で、今般、ついに待望のシングルレイヤーによるSACD化がなされるに及んで大変驚いた。

音質の鮮明さ、音場の幅広さ、そして音圧のいずれをとっても一級品の仕上がりであり、あらためてSACDの潜在能力の高さを思い知った次第である。

いずれにしても、バルビローリによる素晴らしい名演を、現在望みうる最高の高音質であるシングルレイヤーによるSACD盤で味わうことができるのを大いに歓迎したい。

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早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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