2014年11月30日
バーンスタインのマーラー:交響曲全集(新盤)
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バーンスタインがドイツ・グラモフォンに遺したマーラー交響曲音源の集成された廉価版ボックスで、マーラー生誕150年、バーンスタイン没後20年に合わせてリリースされたものだが、筆者が高校生の時に購入した最初のボックスのおよそ3分の1の厚み、5分の1というプライスに唖然とさせられるとともに時代の隔たりを感じる。
やはりマーラーといえば、バーンスタインの演奏が最も聴き応えのある、天下の名演と言い切ってしまって良いだろう。
バーンスタインは、実に気迫と共感のこもった白熱のロマン的な名演を聴かせる。
どの交響曲も最初の1音からマーラーの心がバーンスタインに乗り移ったような演奏で、聴き手に興奮を促してやまない。
バーンスタインはマーラーの苦悩と喜びを共に追体験したかのような、作品とひとつになった合一性を示している。
バーンスタインはマーラーと共に、笑い、泣き、歓喜の頂点を極め、苦悩のどん底に沈み、まさに作曲者と指揮者のホモジェニティ(同一化)の典型を示している。
マーラー・ファンにとっては最高の魅力だろうが、マーラー嫌いにとっては、はしたないの一語に尽きるだろう。
しかし、マーラーの交響曲をこれだけ自分の音楽として表現できる指揮者は、バーンスタインをおいて他にはいないだろう。
その包容力は途方もなく大きく、シンフォニックなスケール感においても、断然他を圧していると言って良い。
ユダヤ人としての属性が、2人の芸術家を見えない糸で結び付けているのだろうか。
ライヴ録音ならではの緊張感と精神的な迫力が感じられ、演奏の一回性の貴重さを改めて思い知らされる。
バーンスタインのマーラーを聴くと、これ以上の演奏は考えられないと、錯覚させられるから具合が悪い。
とはいえ、この全集を凌駕する演奏は、他にちょっと見当たらない。
実はこれだけの名演が生まれると、後攻の指揮者はしんどいことこの上ない。
少なくともバーンスタインを超える何かがないと、一敗地にまみれるのは、目に見えているからである。
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